美紗緒 | 「あのー天地さんいますか?」
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天 地 | 「ああいるけど何?」
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| 美紗緒はお風呂に入りながら天地に話しかけた。
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美紗緒 | 「天地さんどうして私に優しくしてくれるんですか?」
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| 美紗緒の問いかけに天地はこう答えた。
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天 地 | 「いや・・なんか妹って感じで、なんか優しくしたくなるんだ・・・」
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美紗緒 | 「妹ですか・・・」
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| 美紗緒は少し残念な気持ちにかられた。
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天 地 | 「そろそろあがるかい美紗緒ちゃん?」
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美紗緒 | 「・・・うん」
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| 美紗緒があがったあと天地が入れ替わるように風呂に入った。
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天 地 | 「ああ、肩にきく・・」
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| 天地は爺臭いことをいいながら風呂でくつろいでいた。
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| そこへ美紗緒がドア越しから天地に話しかけた。
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美紗緒 | 「天地さん、お背中おながししましょうか?」
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天 地 | 「な、何を言うんだよいきなり?」
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美紗緒 | 「妹が兄の背中を流すのに何か不思議な点でも(さっきのことを根に持って)」
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天 地 | 「それとこれは別だよ・・・」
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美紗緒 | 「冗談ですよ天地さん(くす)」
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天 地 | 「・・・・・・(汗)」
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| 10数分後天地は風呂から上がり寝床の支度にかかった。
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天 地 | 「お休み美紗緒ちゃん」
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美紗緒 | 「お休みなさい天地さん・・・」
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| 夜中の丑三つ時にて
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| 外は雨が強くとうとう雷が鳴り出した。
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天 地 | 「んんーん」
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| 天地が雷で寝付けないところ廊下から足音がした。足音は天地の寝泊まりする部屋で止ま
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| り、そして静かに戸が開いた。
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美紗緒 | 「天地さん起きてますか?」
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天 地 | 「ああ」
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美紗緒 | 「雷が怖くて・・・あの・・一緒に寝ても・・いいですか?」
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天 地 | 「ん、ああいいけど・・」
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美紗緒 | 「一人だと寂しくて・・・それに雷が鳴ってとても怖くて・・・」
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天 地 | 「そうなの・・」
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| 美紗緒は天地の布団の中に入り込んだ。
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美紗緒 | 「天地さんずっとここにいてください・・・」
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天 地 | 「えっ?」
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| 天地は美紗緒ちゃんの方を向いたが美紗緒は既に眠りに落ちていた。どうやらさっきの言
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| 葉は寝言のようであったようだ。
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| 天地は何かすっきりしない気持ちだった。
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| 翌朝、美紗緒が起きたとき、天地と魎皇鬼の姿がなかった。そして天地の枕の所に置き手
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| 紙がおいてあった。
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手 紙 | 『美紗緒ちゃん俺自分を見つめ直すために旅に出たけど結局何も見つめ直してなかったよう
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| な気がする。だから・・・ごめん』
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美紗緒 | 「そんな・・天地さん」
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| 美紗緒の思いをよそに、天地は北陸をさかのぼり東北へと旅に出た。
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