| 天地は祖父のいいつけにより神社の掃除をしていた。
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| 掃いても掃いてもきりがないのに絶えず枯れ葉の掃除をしていた。
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| 天地はつい最近まで別の次元にて津名魅との過ごした日々をほのかに感じながら・・・。
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| そんなとき昨日阿重霞が訪れた椿の方から女性の声がした。
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??? | 「てんち・・・」
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| 天地はその声のする方へ何となく足を歩み始めた。
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| 椿の木から白い霧がそそりだしていた。
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| 天地が椿に近づくと椿のまわりにかかっていた白い霧は一点に集中し、あっというまに人
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| のような形へと形成した。
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| そしてその生み出された人のようなものは天地に語りだした。
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??? | 「てんち・・・どうしたの・・・」
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天 地 | 「きみは・・・」
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??? | 「わたしは・・・ハルナ・・・あなたとはなしがしたいの・・・」
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天 地 | 「はなし・・・」
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| 天地とハルナはしばらく話を交わしあった。
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| 幾時間たったであろうか、天地はそろそろ帰らなければならないとハルナに告げた。
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| ハルナは微笑みだけ残し樹の中へと消えていった。
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| そして天地が帰ろうとしたとき天地の背後に勝仁がいた。
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天 地 | 「じ、じっちゃん、い、いつのまに・・・」
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勝 仁 | 「長く話し込んでおったの・・・」
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天 地 | 「聞いてたの、じっちゃん・・・」
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勝 仁 | 「ハルナは元気でなによりじゃった」
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天 地 | 「じ、じっちゃん・・・」
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| 勝仁はそそくさと去っていった。
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天 地 | 「ハルナさんとじっちゃんって・・・」
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| ・・・その日の夕食時
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天 地 | 「砂沙美ちゃん、今日も料理おいしいよ」
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砂沙美 | 「うん、今日は樹雷ふうの味付けにしてみたんだけどみんなの口にあうかな?」
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天 地 | 「うん、とってもおいしいよ」
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阿重霞 | 「ほんと、さすが樹雷の味付けですわ」
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魎 呼 | 「まったくだ、阿重霞にはとっても出せない味だ!」
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阿重霞 | 「あんた人のこといえるの!!」
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魎 呼 | 「あたしゃ樹雷出身じゃないからいいんだよ!!!」
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阿重霞 | 「キーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
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砂沙美 | 「相変わらずだねお姉さま達・・・天地兄ちゃんどうしたの、なにかいいことでもあったの、
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| 笑ったりして・・・?」
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天 地 | 「いやなんでもないよ・・・」
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砂沙美 | 「・・・・・・?」
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天 地 | 「やっぱりこうでなくちゃ柾木家じゃないよな・・・」
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勝 仁 | 「ふぉ、ふぉ、ふぉ・・・」
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| 一人別のところでほくそ笑む勝仁であった。
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| 結局阿重霞と魎呼の乱闘は夜遅くまで続いたそうな・・・
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