親天地無用第二期/弐拾弐話

憤死無用

    今日も半信半疑ながら学校へ向かった。
    そして夕方また家に帰るという日々を繰り返した。
天 地「俺何やってんだろう・・・」
    と、そんなとき・・・
    突如天地の部屋にハルナが現れた。
ハルナ「まだ楽しんでないようね天地・・・」
天 地「いい加減もとの世界に戻してくださいよ・・・」
ハルナ「どうしても・・・」
天 地「どうしても・・・」
ハルナ「一つだけ方法はあるわ」
天 地「方法?」
ハルナ「聞きたい?」
天 地「じらさないでください」
ハルナ「わかったわ・・・ようく聞いてね・・・」
天 地「・・・はい」
ハルナ「私を殺せば元に戻るわ・・・」
天 地「えっ・・・・・・」
ハルナ「さあどうぞ・・・」
天 地「そんな・・・できないですよ・・・」
ハルナ「やらなければ元に戻らないわ・・・」
天 地「・・・・・・」
ハルナ「やっぱりあなたは優しいわね・・・」
    ハルナは懐に潜ませていた脇差しを表に出した。
    そして脇差しを自身の胸に突き刺した。
ハルナ「うっ・・・」
天 地「ハ、ハルナさん・・・」
ハルナ「私は本当はすでに死んでいるのよ・・・今の体はアストラルボディだから安心して・・・
    だから今度こそ本当にこの世から姿を消すだけだから・・・」
天 地「なんでこんなことを・・・」
ハルナ「私も楽しみたかった・・・ただそれだけ・・・」
天 地「ハルナさん・・・俺、俺・・・」
ハルナ「じきに元に戻るわこの世界は・・・」
    そういうとハルナは息を引き取った。
    天地はハルナの体を抱き起こし椿の木の所まで運んでいった。
    そしてハルナを椿の木の下に埋葬した。
    そして数刻後、世界は元に戻った・・・
天 地「ハルナさん・・・」
魎 呼「おーーい天地何やってんだ?」
天 地「魎呼今行くよ」
魎 呼「まだ何も言ってないよ・・・どうしたんだ天地?」
天 地「なんでもない」
魎 呼「??????」
    天地は柾木家へ戻っていった。
    天地が去ったあと椿の木はこうごうと花を燃え尽きる前のろうそくのように朱々と照ら
    していた。
    次の日椿の木はすべての花びらを地に落として、生涯を閉じたのごとく枯れ始めていた。
    しかしその椿の木の回りに新しい命が芽生え始めていた。

あとがき「ゲスト・ハルナ」
ITK「結局何がしたかったんでしょうね?ハルナさん?」
ハルナ「憧れ・・・ですか・・・」
ITK「憧れ?」
ハルナ「あなたもどうです・・・今度は私とともに死の世界に・・・」
ITK「そ、その脇差しは・・・ぐおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
ハルナ「死の世界へ行って来ますね(ニヤリ)」
ITK「ま、まだ死んでは・・・いな・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ハルナ「はぁー、はぁー、今度こそ行って来ます(ニコ)」

創作小説に戻る

inserted by FC2 system