| 山崎正司は聖神学園を見渡せる丘にいた。
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正 司 | 「・・・あの場所には学園が建っていたか・・・」
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| 約束の場所はすでに以前の姿をしてはいなかった。
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桜町晶 | 「どうしたの正司さん?」
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正 司 | 「帰ろう、もう用は終わった」
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桜町晶 | 「えっあっ・・・」
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| 正司は学園をあとにしようとしたその時。
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正 司 | 「誰かいるのか?」
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??? | 「!」
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正 司 | 「誰だ!」
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| 正司が木の裏を指差したその時、正司の腕から氷が生み出される。
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| シュキーーーーーーン
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| 木の一部は一瞬にして凍り付いた。
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??? | 「キャッ」
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| 女性は驚きのあまり倒れる。
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正 司 | 「・・・50年間氷づけになっていたから、こんな事が出来るようになっていたのか・・・」
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桜町晶 | 「すごーーい、これで何時でもかき氷が食べれるね」
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正 司 | 「・・・おい」
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| 正司は晶をつっこみつつ、倒れた女性の方へ向かう。
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正 司 | 「大丈夫ですか?」
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??? | 「え、ああ、はい・・・」
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桜町晶 | 「あ、黒崎さん?」
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正 司 | 「知り合いか?」
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桜町晶 | 「ここの学園の人で、同じクラスで、校長の一人娘で、本名黒崎沙織さん」
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正 司 | 「そうか・・・・・・くろさき・・・まさか・・・」
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沙 織 | 「??????」
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桜町晶 | 「黒崎さんここで何してるの?」
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沙 織 | 「・・・桜町さんが学校休みの日に男の人と何しているのかなと思って・・・」
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桜町晶 | 「で、つけていたの?」
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沙 織 | 「はい」
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正 司 | 「・・・それより怪我はなかったか?」
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沙 織 | 「はい、ちょっと驚いただけです」
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正 司 | 「それは良かった・・・ところで黒崎さん、親戚筋に英司(えいじ)さんという方はいます
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| か?」
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沙 織 | 「はい、おじいさまの名前が英司です、どうしてそれを?」
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正 司 | 「いえ、あと英司さんの妻の名前は神那(しんな)といいませんか?」
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沙 織 | 「はいそうですけど?」
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桜町晶 | 「それって私の祖父の妹だよ」
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正 司 | 「・・・そうか、やはり・・・」
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桜町晶 | 「だから黒崎さんと私はちょっとした親戚だよ」
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正 司 | 「・・・・・・」
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| 正司は考え込む。
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| 沙織と晶は少し離れたところで話し合う。
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沙 織 | 「桜町さん、あの人は?」
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桜町晶 | 「私のびびっと来た人」
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沙 織 | 「びびっと・・・?」
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桜町晶 | 「そう、びびっと」
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沙 織 | 「つまり直感的に好きって事?」
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桜町晶 | 「そうそう、いま一緒に暮らしているの」
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沙 織 | 「!!!、同居?」
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桜町晶 | 「そんなところ」
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沙 織 | 「大胆だね桜町さん」
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桜町晶 | 「えへへへへへ〜♪」
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正 司 | 「何を話してんだ二人とも」
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桜町晶 | 「正司さんと私の愛の話」
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| ゴツン!
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桜町晶 | 「いった〜い」
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正 司 | 「阿呆な事言ってないで帰るぞ」
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桜町晶 | 「はあ〜い、じゃあね黒崎さん」
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正 司 | 「では失礼」
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| 二人は去っていく。
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沙 織 | 「・・・いいなあ、桜町さん、私もあんな人を伴侶となる人に・・・」
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| そして二人は家に戻る。
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桜町晶 | 「ただいま〜」
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大 作 | 「お帰りいいいい〜」
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| 早速晶に抱きつく大作。
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桜町晶 | 「ちょ、ちょっとお父さん苦しいよ」
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大 作 | 「お父さんは心配したぞおお〜〜!!!!」
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桜町晶 | 「ああもう」
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| 大作から離れる晶。
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桜町晶 | 「もう私は子供じゃないんだから抱きつかないで」
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大 作 | 「ガーーーーーーーン」
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| ショックのあまり倒れる大作。
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??? | 「お、親方しっかり」
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| 大作をささえる住み込みの人たち。
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桜町晶 | 「三枝(みつえだ)さん、葉月(はづき)さんお願いね」
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| 大作を二人に任せて正司を連れて部屋に去っていく。
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正 司 | 「いいのか、あれで」
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桜町晶 | 「いいの、いいの」
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正 司 | 「不憫な・・・」
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??? | 「晶さん、電話ですよ」
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桜町晶 | 「はあ〜い、いま行きます。正司さんは部屋で待っていて」
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| スタタタタタタ
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桜町晶 | 「理帆(木下理帆、桜町組の経理担当)さん、誰からですか?」
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理 帆 | 「笹原さんから電話です」
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| 一方正司はというと、
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正 司 | 「英司、生きていたか・・・そして神那も・・・」
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| 一人考え込んでいた。
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正 司 | 「よし、もういちどあの娘の所へ行って会わしてもらおう・・・」
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| 過去への決着をつけるべく正司は心に誓う。
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桜町晶 | 「お待たせ正司さん♪」
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| 晶は電話から帰ってきた。
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