過人/玖話

女師

    正司は桜町家の庭に立っていた。
    そしてぼーっと空を見上げる。
    何をするわけでもなくただぼーっと見ている。
桜町晶「どうしたの正司さん?」
正 司「いや、なんでもない・・・」
    最近妙に気になることがある。
    そもそも何故俺は氷漬けにされて五十年も生きてこられたのか・・・
    普通なら死んでいるはずだが・・・
    黒崎の企みで井戸に落とされたのはわかるが、晶がそこに来るまで俺はずっといたのか、
    その時の記憶は夢にすらない・・・
正 司「すまん、ちょっと出かけてくる」
桜町晶「あ、ちょ、ちょっと・・・もう直ぐ朝飯だよ」
正 司「帰ってきてから食う」
桜町晶「言い出したら聞かないんだからもう・・・だったら私も一緒に行くね」
正 司「別にかまわんが・・・いいのか?」
桜町晶「もう別れ別れになるのは嫌なの」
正 司「???」
桜町晶「女の子を一人にしたらいけないのよ」
正 司「何が言いたいんだ?」
桜町晶「あーもう、いいから、女の子にこれ以上言わせないで」
正 司「別にいいけど・・・お前から喋りだしたんじゃないのか?」
桜町晶「・・・むうー・・・」
正 司「・・・さ、いくか・・・」
    よくわからないまま正司は古井戸へと向かった。
    そして古井戸からは以前と同じく、冷ややかな風が吹き出していた。
正 司「夏なのに何故こんなに冷たい風が出ているんだ・・・」
桜町晶「本当、何でだろ?もしかして山のてっぺんと直結していて冷たい風が来ているとか?」
正 司「いや、それにしては距離がありすぎる」
    そうこうしている二人に物陰が忍び寄る。
???「・・・奴か・・・」
早 苗「そうだよ兄い」
???「よし、まずは捕獲ネットから行こう」
    そういうとあっという間に頭上高くに捕獲ネットが打ち上げられる。
正 司「何奴」
    正司は咄嗟に晶を抱えて捕獲ネットより回避する。
???「ほう、あれをかわすとはなかなかやるな」
正 司「誰だ貴様は」
焚 慈「私は桂木二十四帥の一人、桂木焚慈」
正 司「俺に何の用だ」
焚 慈「もちろん・・・」
早 苗「お前の力を解明するためーー!!!」
    ドゴシン
焚 慈「人の台詞をとるな」
早 苗「兄い最近手加減無しだよ・・・」
正 司「それで俺を捕らえようというわけか・・・ならこちらも抵抗させてもらうぞ」
焚 慈「予測していた通りだ、早苗、奴を呼べ」
早 苗「あいあいさー、出番だよ」
    早苗は懐よりリモコンを取り出す。
早 苗「ピポパと」
    シュキーーーン
焚 慈「お前のその力、力ずくでも取ってやるぞ」
    焚慈と早苗の背後から一人の女性が現れる。
???「命令をお願いします」
正 司「ま、まさか・・・そんな」
桜町晶「正司さん知り合い?」
正 司「ど、どうしてだ・・・」
???「久しぶりね、正司・・・」
早 苗「一年前、ここから少し離れた古井戸から氷付けの女性を発見した」
焚 慈「すでに事切れていたが、肉体はまだまだ充実していた」
正 司「なぜだ・・・」
焚 慈「行け、P3!(パーフェクト・プリティ・プリンセス)」
正 司「・・・」
P 3「行くわよ正司!」
    P3の手刀は大地を切り裂く。
桜町晶「キャー」
    晶は大地に飲み込まれる。
正 司「晶ー!」
    正司は思いっきり晶の手を掴む。
桜町晶「ありがとう」
P 3「隙あり!」
    ズシャ!
    正司の背中にP3の手刀が突き刺さる。
正 司「いったいどういうことだ・・・」
P 3「大人しく捕まる事ね・・・」
早 苗「やったー、あとは捕まえるだけだー!」
焚 慈「P3、殺すなよ」
P 3「はい」
    正司の体から手刀を抜き去る。
正 司「く、くそ・・・」
桜町晶「酷い・・・」
正 司「うあああ」
    晶を地割れから救い出す。
P 3「正司、神那はどうしたの?」
正 司「この前死んだ・・・」
P 3「そう、ならその子も殺してあげるわ」
正 司「やめろ!」
    ギシャン!!!
    氷の氷壁を晶の前に生み出し、P3の攻撃を防ぐ。
P 3「久しぶりに会ったけど、変わった技を使うようになったわね」
正 司「やめろ・・・あんたがその気なら俺も容赦しないぞ」
P 3「嬉しいわ、私に向かってそんな口を利けるようになるなんて」
正 司「もう二度と失わない」
早 苗「なんか訳有りだね」
焚 慈「当たり前だ、P3と山崎正司は・・・」
P 3「でもあなたは私には勝った事が無いものねえ正司」
正 司「今の俺は昔の俺じゃない」
P 3「そう、だったらかかってきなさい」
正 司「ああ、全力でやってやる」
P 3「こちらも手加減しないわ」
正 司「たとえ、俺の拳の師であり、暗殺者として一流で今まで勝った事が無くても俺はやるぞ、
    美桶姉さん・・・」

あとがき「ゲスト・美桶」
ITK「・・・ららら優先しすぎて、らららの原点である過人をほったらかしにしすぎの今日この
    頃です」
美 桶「ところで毎回苦労していることがおありで」
ITK「はい、名前を考えるのでかなり苦労してます(笑)」
美 桶「で、私の名前は・・・・」
ITK「もう完全に思考麻痺しています」
美 桶「・・・」
ITK「というのも、一番最初に考えた作品、Nという作品と、いまだ膨大なデータが蓄積されま
    くっているRという作品を過去に考えたときに、その登場キャラを1000キャラ分くら
    い考えて、もう底を尽きているような状態です。中国名、カタカナ名がほとんどだけど」
美 桶「あとP3は?」
ITK「最初はPPPだったんです、でもそれだと言いにくいのでPが三個でP3になりました」
美 桶「・・・・・・」
ITK「本当は過人はRAとは無関係にしたかったけど、なりゆき上こうなりました」
美 桶「で、これからは?」
ITK「極力RAの深層には深く踏み込まないような話へと進めたいと思います」
美 桶「では本日はこれまで」
ITK「ではでは〜」

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