ゆうじ | 「おい亮太、やっぱり止め様ぜ・・・」
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亮 太 | 「おいおい怖気づいたのか?お前も早く塀を乗り越えて来いよ」
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ゆうじ | 「わ、分かったよ・・・」
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| 亮太とゆうじは近くの私立高校に通う学生である。
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| 二人は巷で密かに知られているお化け屋敷と言われる人気の無い屋敷へ忍び込もうと、画
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| 策して夜中に忍び込んだのである。クラスの同級生の噂では夜中に女の声がどことなく、
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| 聞こえて来るそうである。怖いもの知らずの亮太はその原因を突き止めるべく動いたので
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| ある。
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| 因みにゆうじは亮太に強制的に連れて来られたのである(笑)
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ゆうじ | 「亮太〜」
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亮 太 | 「入るぞ・・・」
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| 亮太は屋敷の裏口の戸から中へ入っていった。
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| 中は比較的新しかった物の人が住んで居なかったみたいな為か、蜘蛛の巣があちこち張り
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| 巡らせてあり、床はやや埃(ほこり)が被っていた。
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亮 太 | 「俺はこっちの部屋を探して見るから、ゆうじは反対の部屋を見てくれ」
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ゆうじ | 「ちょ、ちょと待てよ、一人にするなよ・・・」
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亮 太 | 「ガキじゃ無いんだからよぉ・・・」
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ゆうじ | 「まだ俺達は未成年だから十分ガキだよ」
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亮 太 | 「・・・分かった分かった、一緒に行こうな」
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ゆうじ | 「りょ〜た(^^)」
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亮 太 | 「うわぁ!引っ付くなよ、お前はホモか?」
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ゆうじ | 「ホモでも良いから離れないでくれよ」
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亮 太 | 「はいはい」
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| 亮太は諦めて部屋の中へ入っていった。
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| 中には研究備品がそこら辺に散らばっていた。
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| 何やら泥棒でも入ったような状態だった。
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亮 太 | 「なんか酷い荒れ様だなあ・・・引き出しとか本棚が無茶苦茶だぞ・・・」
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ゆうじ | 「許せん、研究資材に対してこの様な仕打ちをぉぉぉぉぉ!!!」
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| ゆうじは研究に関してかなり進んだ知識を持ち、整理整頓を心掛ける人物である。
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亮 太 | 「ゆうじ、ここで色々見ていてくれ、俺は反対側の部屋を見てくる」
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ゆうじ | 「おいおい、置いて行くなよ・・・」
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亮 太 | 「安心しろ、直ぐ帰って来るよ」
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ゆうじ | 「直ぐ帰って来いよ・・・」
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亮 太 | 「はいはい」
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| 亮太は今居る部屋と反対側の部屋へ入って行った。
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| その部屋も前にいた部屋同様荒れ果てていた。
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亮 太 | 「ひでえなあ〜この部屋も」
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| 近くに落ちていた本を色々拾い上げて見る。
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亮 太 | 「ロボット学?なんか難しそうな本だなあ・・・」
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| そして机の上に有ったラジオを再生して見る。
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ラジオ | 「ラララ〜らららら・・・ブシューシュ〜」
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亮 太 | 「あら?壊れちまったか」
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| ラジオの停止ボタンを押す。
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| そしてふと見た壁に、何やら装置みたいな物が付いていた。
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亮 太 | 「何だろう、この装置は・・・」
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| あちこちボタンが付いていたので色々押してみる。
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??? | 「パスワードを入力して下さい」
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亮 太 | 「ぱすわーど?」
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| 問われたので色々ボタンを押してみる。
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亮 太 | 「RYOUTA」
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??? | 「パスワードミス」
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亮 太 | 「SAKURABE(亮太の姓)」
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??? | 「パスワードミス」
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亮 太 | 「YUJI」
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??? | 「パスワードミス」
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亮 太 | 「一体何を入力すれば良いんだよ・・・さっきラジオで鳴っていたのでも、打てってか?」
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| ラジオで鳴っていた音を入力して見る。
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亮 太 | 「RARARA」
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??? | 「パスワードOK!」
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亮 太 | 「良いのかよ・・・そんなんで・・・」
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??? | 「扉を開きます・・・」
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| シュキーーンズドドドドドドドーーーー!!!!
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亮 太 | 「おわぁ!!」
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ゆうじ | 「どうしたんだ亮太?」
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亮 太 | 「行き成り扉が開いたんだよ」
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ゆうじ | 「僕も今行くよ」
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亮 太 | 「ああ早く来いよ・・・」
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ゆうじ | 「いてぇぇぇ!!」
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| 周りが暗かった為ゆうじはずっこけてしまった。
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ゆうじ | 「りょ〜た、いたいよぉぉ〜」
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亮 太 | 「相変わらずドジな奴だなあ・・・その傷じゃ暫く歩けないだろうから、俺は先に行くぜ。
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| ゆうじは俺が帰って来るまでそこに居ろ」
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ゆうじ | 「そんなあ〜(泣)」
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| 亮太はゆうじをほったらかして扉の向こうへと進んでいく。
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| 扉の向こうは階段と成っており、また自動的に階段を渡る道に電灯が付いていた。
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亮 太 | 「あ、また扉が、今度は普通に開ければ良いか・・・」
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| 亮太は更に扉の向こうへ進んでいった。
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| 扉の向こうには物凄い機械があちこちに張り巡らせていた・・・。
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| そして一番奥の所に何やら大きなカプセルが有った。
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亮 太 | 「何だこりゃ?人?が入って居るのか?」
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| カプセルの中には一人の少女らしき者が入っていた・・・。
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| 亮太はカプセルのに触るとカプセルが開いた。
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??? | 「・・・・・・・・・起動します」
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亮 太 | 「うわぁ!人が出て来たぁ!!、しかも裸体(xox)」
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??? | 「私は人では有りません、リアルアンドロイド試作型です」
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亮 太 | 「アンドロイド・・・」
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??? | 「はい」
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亮 太 | 「で、何でそのアンドロイドがこんな所に」
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??? | 「桂木博士がここで私を作っていた途中だったんですけど・・・貴方は?」
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亮 太 | 「お、俺?俺は、桜部亮太だけど・・・」
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??? | 「この部屋には桂木博士しか入ってきた事は無かった筈なのですが?」
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亮 太 | 「いや、ちょっと、この屋敷から女の幽霊が出るって噂がして・・・」
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??? | 「そうですか・・・泥棒では有りませんよね?」
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亮 太 | 「あ、ああ、単に確かめに来ただけなんだけど・・・」
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??? | 「そうですか・・・で、桂木博士は?」
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亮 太 | 「桂木博士?いや、この家は数ヶ月前から人が住んで無いって聞いたけど?」
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??? | 「桂木博士は一体どこに行ったのですか?前のメンテから三ヶ月以上会って居ません」
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亮 太 | 「いや、俺に聞かれても・・・」
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??? | 「そうですか・・・あ、そういえば桂木博士が自分の身に何かあったら敵以外の誰かに助け
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| を求めてって、仰っていましたけど・・・」
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亮 太 | 「随分、好い加減な博士だなあ〜(本当に博士なのか・・・)」
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??? | 「と、言う訳で私を連れて行って下さい」
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亮 太 | 「えっ?」
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??? | 「あなたは博士が言う敵では無いのですよね」
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亮 太 | 「敵では無いけど・・・なんで俺なの?」
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??? | 「貴方からは敵意という物を読み取る事が出来ませんから・・・」
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亮 太 | 「・・・そうなの?」
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??? | 「はい、博士が色々分析できるシステムをプログラムして下さっていますから」
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亮 太 | 「・・・は〜、分かったよ、俺の家にでも来るか?」
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??? | 「はい、今日から桂木博士に代わって貴方が私のマスターです」
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亮 太 | 「はいはい・・・それよりその格好じゃ・・・なんだからそこら辺に有る・・・この布団で
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| も包んで(くるんで)置いてくれよ・・・」
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??? | 「あ、・・・はい・・・(ポッ)」
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亮 太 | 「アンドロイドには感情が無いって言うけど、あの娘は照れもするんだなあ・・・って俺も
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| 何をアンドロイドの裸見て照れてるんだよ・・・・・・」
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??? | 「あの・・・用意出来ました」
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亮 太 | 「ああ、色々詳しい事は俺の家で聞かせてもらおっか?」
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??? | 「分かりました」
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| と言う訳で亮太と謎のロボットは桜部家へと帰路に着いた。
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| ・・・因みに親友の森川ゆうじはほったらかしの儘(まま)だった・・・(数刻後とぼと
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| ぼ一人で帰路に着いた)
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