ららら/貳話

RA3−V101

亮 太「さ〜、静かに入るぞ・・・」
???「はい」
    二人は物音立てずに桜部家へと入っていった。
    桜部家は、父の妹の桜部澄子と桜部ほたるが住む家である。
    亮太の父と母は数年前に交通事故にあって母は、既に他界(父は事故後消息不明)
    叔母の澄子が他の親戚との相談の結果、亮太を引き取って育てる事に成ったそうな。
    因みに、桜部澄子の夫は海外勤務の為、家にはいない。
    そんでもって何故叔母の姓と亮太の姓が一緒かというと、澄子氏の夫は養子だからである。
    まあそこら辺の事情はここ迄。
    深夜に抜け出していった為、2階のベランダからつたって入っていった。
亮 太「さあ君もはやくロープに・・・・・・って」
    重かった・・・それもかなりの重量。
亮 太「やっぱりロボットって重たいんだなあ・・・」
???「す、すいません、私の重量は通常の女性体重の五倍以上あると記憶してます」
亮 太「5ばい・・・ってことは・・・・・・」
???「計算しないでください」
亮 太「ああ、ごめんごめん・・・って、やっぱりお・・・も・・・たひ」
???「う〜ん・・・」
    やっとこさ引き上げる。
亮 太「さてと・・・あれ?」
    ベランダの戸が閉まっていた。
亮 太「あれ?出て行く時、開けていた筈なんだけどなあ・・・」
    ベランダの戸を相手に格闘している所・・・
ほたる「お兄ちゃ〜ん」
    いきなり窓の向こうから登場。
    ほたるは、いとこなのであるが、亮太の事をお兄ちゃんと呼ぶ。
亮 太「どわぁ!!!!ほ、ほたる」
ほたる「お兄ちゃんこんな遅くまでどこへ行っていたの?」
亮 太「いや、ちょっとゆうじと一緒に野暮用・・・あ、ゆうじ忘れてた」
ほたる「もう・・・あれもう一人いるけど・・・誰」
    亮太の背後にてロボットは蹲って(うずくまって)いた。
亮 太「ああ、このこは・・・」
ほたる「・・・なんでシーツ一つだけしか付けていないの・・・・・・」
亮 太「いや、これは・・・」
ほたる「お兄ちゃんの・・・・・・馬鹿ァーーーー!!!!!!」
    バキーーーーーーン!!!
亮 太「ひぇええええええ〜」
    ベランダからものの見事に吹っ飛んだ。
    そして・・・
亮 太「だから、しかじかかくかく・・・(中略)・・・と、言う訳なんだよ」
ほたる「なんだぁ、それならそうと言ってくれればいいのに」
亮 太「言う暇があったかぁぁぁ!!!」
    ほたるに豪快につっこむ亮太。
ほたる「で、この娘の名前は?」
???「正式名称RA3−V101といいます」
亮 太「いいにくい・・・」
ほたる「私たちで何か代わりの言いやすい名前を付けない?」
亮 太「そうだなあ・・・ロボ子はどう?」
ほたる「変だよお兄ちゃん・・・」
亮 太「じゃあ・・・ららら、なんてのはどう?」
ほたる「どういう意味?」
亮 太「RA3をそれらしく訳しただけなんだけど・・・」
ほたる「まあいっか」
亮 太「と言う訳で今日から君はらららに命名」
ららら「・・・・・・」
ほたる「気に入らなかった?」
ららら「いえ、そんな・・・私のために名前を新しく付けてくださったことが嬉しくて・・・」
    一同納得
    そしてらららは、ほたるの服を着させて貰う。
ほたる「明日お母さんにこの事言おうね」
亮 太「ああそうだな」
ららら「あの〜」
ほたる「どうしたのらららちゃん」
ららら「そろそろ充電したいのですが・・・もうエネルギー残量が」
亮 太「でもどうやって充電するの?」
ららら「えっと」
    らららはどこからともなくコンセントを出した。
ららら「普通にこのコンセントで暫く充電すれば大丈夫です」
亮 太「家電みたいだな・・・」
ほたる「家電・・・」
    その夜は、亮太の部屋にて三人一緒に眠る事になった。
亮 太「て、おい、なんでほたるが俺の部屋で寝るんだよ?」
ほたる「らららはロボットとはいえ女の子なんだからこのままお兄ちゃんと一緒にいさせるのが不
    安なのよ」
亮 太「それならお前の部屋に持っていけばいいだろ・・・」
ほたる「いいのそんなことしなくて」
    ほたるは問答無用で怒りだした。
亮 太「なんだってんだよまったく・・・」
ほたる「お休みお兄ちゃん」
ららら「お休みなさいマスター・・・」
亮 太「はいはいお休み」
    三人は睡眠についた。
ほたる(お兄ちゃんと一緒に眠るのって何時以来だろう・・・)

あとがき「ゲスト・ららら」
ITK「なんだかんだで、あっと言う間に二話目を書きました」
ららら「私の名前も決まって良かったです。でもタイトルと一緒だったんですね・・・」
ITK「私は普段、買い物帰りに自転車に乗っている時に色々世界を考えたりするけど、ここまで
    確り(しっかり)とした話を作ったのは久しぶりです」
ららら「久しぶり?」
ITK「中学校の頃から色々と、ストーリーは10個程考え済みなんです」
ららら「そんなにも?」
ITK「授業中によく勉強そっちのけで書いていた記憶があります。でも設定とか色々変更しまく
    ってかなり手に負えない話になってますけど・・・普通に短編で作ったとしても数百話は
    超えると思います(笑)」
ららら「でもなんでHPで公開しなかったのですか?」
ITK「オリジナル公開したのって初期で挫折して以来今回が初めてだし・・・そんでもってあん
    まし他の人に公開するには、設定があやふやだったし・・・」
ららら「でもなんでこの話がオリジナル最初なの?」
ITK「なんとなく(笑)」
ららら「・・・・・・」

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