| こちら港高校から数百メートル離れたところにある、港商店街。
|
亮 太 | 「ほたる、これで全部か?」
|
ほたる | 「うん、メモに書いてあった物全部買ったよ」
|
| おば澄子から頼まれた買い物をしていた。
|
亮 太 | 「つりはもう無いなあ・・・」
|
ほたる | 「お母さん毎度ほとんどピッタリしかくれないからねえ」
|
亮 太 | 「しっかしよくもまあこんなに買い込んだなあ・・・」
|
ほたる | 「自転車にいっぱいねえ」
|
亮 太 | 「しかたない、歩いて帰るか・・・」
|
ほたる | 「そうするしかないね」
|
| スタスタスタスタスタ・・・
|
亮 太 | 「あっ五月」
|
五 月 | 「あら、偶然ねえ」
|
亮 太 | 「俺達は買い物帰りだ」
|
五 月 | 「見ればわかるわ・・・」
|
ほたる | 「五月さんは?」
|
五 月 | 「御稽古事の帰り」
|
亮 太 | 「大変だなあ〜お前も・・・」
|
五 月 | 「本当よ、もう〜、日舞に茶道に華道・・・部活は弓道ときたもんだから」
|
亮 太 | 「フル稼働だなあ・・・」
|
五 月 | 「すこしは休みが欲しいわ」
|
ほたる | 「親に話して見れば?」
|
五 月 | 「親との弓道か薙刀の勝負に勝たないと、言うこと聞いてくれないのよ」
|
亮 太 | 「でも、今度の日曜はどうなるんだ?いつもなら習い事があったんじゃなかったっけ?」
|
五 月 | 「その日は運良く習い事の先生が所用で留守になるからお休みなの」
|
亮 太 | 「久々の休日か」
|
五 月 | 「まったくよ」
|
| 和み会う二人
|
ほたる | 「お兄ちゃん、もうこんな時間だから早く帰るよ」
|
亮 太 | 「えっあ・・・」
|
| ほたるは亮太の腕を引っ張った。
|
ほたる | 「じゃあ〜ねえ〜五月さん」
|
五 月 | 「ま、また・・・(やきもちでも焼いたのかな?)」
|
ほたる | 「さ、いこお兄ちゃん(お兄ちゃんはほたるだけのものだもん)」
|
亮 太 | 「おいおいおいおいおい」
|
| ほたるは自転車と亮太を軽々と引っ張りながら家に向かった。
|
亮 太 | 「お〜いほたる」
|
ほたる | 「なにお兄ちゃん?」
|
亮 太 | 「もう家ついてるよ」
|
ほたる | 「あ、本当だ」
|
| 家に入る二人。
|
亮 太 | 「そういえばらららはどうなってるかなあ」
|
ほたる | 「ずっとほったらかしだったね」
|
| シュイーーーーンカタカタカタ
|
澄 子 | 「おや、筋がいいねえこの子は」
|
| 台所を覗いてみる二人。
|
ららら | 「そ、そうですか・・・博士から習ったプログラムに料理プログラムは無かったはずなんで
|
| すけど・・・」
|
澄 子 | 「だーはっはっはっはっはっはっは」
|
| 豪快にやりとりしている二人。
|
亮 太 | 「あの〜おばさん?」
|
ほたる | 「どうしていっしょにいるの?」
|
澄 子 | 「ああ、亮太の部屋を掃除していたときに見つけてねえ、いろいろ聞かせてもらったよ」
|
亮 太 | 「はあ・・・」
|
| なにはともあれらららのことはあっさりと受けいられる。
|
| そして夕食。
|
亮 太 | 「飯・・・食うの?」
|
ららら | 「はい、プログラムは電気で動きますけど、基本的には人間と変わらず食事もします」
|
亮 太 | 「ロボットと言うより・・・ほとんど人間だなあ・・・」
|
澄 子 | 「よくできてるわねえ」
|
ららら | 「でもこんな機能ついてますよ」
|
| そういうとらららの右腕から砲塔がでてきた。
|
ららら | 「これでエネルギービームも撃てるし、触覚から妨害電磁波も出せます」
|
ほたる | 「うわあ、すごいすごい」
|
亮 太 | 「凄いですまされるのか・・・」
|
澄 子 | 「いいじゃないかそんなこと」
|
亮 太 | 「いいのか・・・」
|
| なんだかんだで家族となったららら。
|
| 食事も終わり二階に行く亮太とらららとほたる
|
亮 太 | 「とりあえず明日になったらゆうじが来るから、色々調べてもらおうな」
|
ららら | 「はい・・・」
|
ほたる | 「どんなことがわかるかなあ?」
|
亮 太 | 「そうだなあ・・・ってなんでほたるがここに・・・それに布団まで敷きやがって」
|
ほたる | 「今日もお兄ちゃんの部屋で寝るの」
|
亮 太 | 「またおばさんに殴られるの嫌だぞ・・・」
|
ほたる | 「気にしない気にしない」
|
ららら | 「私の分の布団が敷いてありますけど?」
|
ほたる | 「らららちゃんも今日からここで一緒に寝るの」
|
ららら | 「いいんですか・・・私、ロボットですよ・・・」
|
ほたる | 「気にしない気にしない」
|
ららら | 「はあ・・・」
|
亮 太 | 「いいんじゃないの」
|
ららら | 「ではお言葉に甘えて・・・」
|
| 充電しつつ布団の中に入った。
|
亮 太 | 「はあ〜(そういえば最近腕のしびれが酷くなってきたなあ・・・)」
|
| ゴム手袋をつけ直す亮太。
|
| そしてその夜は何事もなく静かに夜が過ぎていった。
|