亮 太 | 「とりゃーーーーー!!!」
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| ズギャン
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ゆうじ | 「ぐえええ〜」
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| ただいま体育での柔道の組み手の練習。
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亮 太 | 「おいおい軽く投げただけだぞ・・・」
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ゆうじ | 「亮太の軽いって豪快だよ」
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亮 太 | 「ハハハハハハハハ」
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| 和む二人。
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先 生 | 「男子は次は受け身の練習だ」
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五 月 | 「女子は?」
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先 生 | 「腕立て腹筋背筋を二十回ずつだ」
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| どたばたどたばた
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亮 太 | 「先生、トイレ行って来てもいいですか?」
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先 生 | 「とっとと行ってこい!」
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亮 太 | 「ほーい」
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| トイレに向かってダッシュする亮太。
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亮 太 | 「はあ〜なんでこんなかったるいことしなきゃいけないんだろうねえ〜」
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| 一人トイレで嘆く亮太。
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| 用を済ましてトイレから出たところに一人の女性がたっていた。
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| そう、亮太の担任の御影先生。
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御 影 | 「あら桜部くん、体育の授業をさぼっているの?」
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亮 太 | 「トイレに行っていただけですよ」
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御 影 | 「あらあら」
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亮 太 | 「で、そういう先生は何をしているんですか?」
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御 影 | 「ひ・み・つ」
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| 照れながらいう。
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亮 太 | (いい年こいてそんなこと言うもんかなあ〜)
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御 影 | 「なにか悪いこと考えているでしょう」
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| 亮太の顔に自分の顔を近づける
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亮 太 | 「いえいえ何もよからぬことは考えてないです、はい」
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| 汗だしまくり状態。
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御 影 | 「そう、私の気のせいかしら」
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亮 太 | 「そうです、気のせいです」
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御 影 | 「残念ねえ〜、それより早く授業に戻らないと」
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亮 太 | 「イエッサー」
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| 体育館に戻る亮太。
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| その場にいた御影は携帯をかけだした。
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御 影 | 「博士、うちの学校にはそれらしき人物はいないようです」
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博 士 | 「そうか、引き続き町内の調査を頼む」
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御 影 | 「わかりました」
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| カチャ
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| 電話を切る。
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御 影 | 「何でこんな任務引き受けたんだろう・・・姉さん・・・」
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| 寂しく言葉を吐く御影。
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| で、体育館に戻った亮太。
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亮 太 | 「あれ?みんなは・・・」
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| 体育館には誰もいなかった。
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亮 太 | 「・・・あれ」
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| 外をのぞき込む。
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亮 太 | 「マラソンでもしているのか・・・」
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五 月 | 「何やってるの亮太?」
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亮 太 | 「どわあっ五月!!!」
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五 月 | 「男子はマラソンにでていったわよ」
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亮 太 | 「女子は?」
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五 月 | 「同じくマラソンの準備をしているわよ」
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亮 太 | 「で、何で五月だけここにいるの?」
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五 月 | 「あんたのおもり役」
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亮 太 | 「え?」
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五 月 | 「学校中私達が仲がいいの周知の事実だから」
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亮 太 | 「・・・・・・」
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五 月 | 「なんでか先生や他の女子とかが気を回してくれたみたいなの・・・」
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亮 太 | 「なんだかなあ・・・」
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| ため息が漂う今日この頃。
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亮 太 | 「じゃあ行くか五月」
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五 月 | 「そうね、そういえばあれから大丈夫?」
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亮 太 | 「ああ、不気味なくらい平和だよ」
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五 月 | 「うちも平和。でも家の修理で大変だった」
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亮 太 | 「そういえば今はどこにすんでるの?」
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五 月 | 「近くのマンションに家が復旧するまで泊まってるの。家族は別のマンションに泊まってい
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| るから今は一人暮らしを体験中」
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亮 太 | 「だいじょうぶなのか?」
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五 月 | 「か弱い女性が一人暮らしを、でしょ」
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亮 太 | 「そう」
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五 月 | 「大丈夫よ、ばあやがたまに訪ねてくるし、そこのマンションの警備員は一時的に増員した
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| し」
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亮 太 | 「さいですか」
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五 月 | 「さー立ち話はここまでにして授業に戻ろ」
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亮 太 | 「ああ」
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| 一方その頃。
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ほたる | 「うぅぅぅぅぅぅ〜」
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美 鷺 | 「ほたるちゃん、ほたるちゃん、寝ちゃ駄目だよ(小声)」
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鮎 美 | 「起きてよほたるちゃん・・・」
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ほたる | 「もうたべられない・・・」
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先 生 | 「くおおおおらあああああ桜部!!!」
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ほたる | 「ぐぅぅぅぅ〜」
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先 生 | 「いい加減におきんかあああ!!!!!!」
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ほたる | 「ぐううううううううう〜」
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先 生 | 「あああああ、廊下にたっとれえええ!!!!」
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鮎 美 | 「ああ・・・」
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美 鷺 | 「通算四十九回目」
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鮎 美 | 「毎回毎回・・・」
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ほたる | 「ぐうううううう〜」
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| 立たされながらもまだ眠り続けるほたる。
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先 生 | 「上坂、福田、どうにかならんのか・・・」
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鮎 美 | 「こればっかりは・・・」
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美 鷺 | 「私達には手がおえないよ・・・」
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先 生 | 「胃が痛い・・・胃薬胃薬」
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| これがほたるのクラスの日常風景であった・・・
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ほたる | 「あ、また私たたされてるんだ・・・ぐうぅぅぅ〜」
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| 懲りないほたるであった。
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