| 某通り道。
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美 鷺 | 「ちょっと何するのよ」
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| 路地裏の道にて福田美鷺と上坂鮎美が不良に絡まれていた。
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| ちなみに登校時。
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不良一 | 「ちょっとお兄さんにお金恵んでくれないかなあ〜」
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不良二 | 「面倒だったら財布ごとよこしな」
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美 鷺 | 「私達に手を出そうなんて十年早いわよ!あんた達に渡す金なんて無いわよ」
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鮎 美 | 「み、美鷺ちゃん・・・」
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不良一 | 「何だとこらあ」
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| 不良は美鷺の髪の毛を鷲掴みにした。
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美 鷺 | 「い、痛いわね、何すんのよ!!!」
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不良二 | 「黙って金を渡せば痛い目にあわなくてすむぜ」
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美 鷺 | 「誰があんた達に・・・」
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| 美鷺の言葉に不良達は美鷺の髪を引きづりまくった。
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美 鷺 | 「いい、痛い痛い・・・」
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| 美鷺は悲鳴とともに涙を流した。
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| その場にいた鮎美はもう一人の不良に遮られ美鷺に近づくことができなかった。
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不良一 | 「さてと」
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| 不良は美鷺の鞄の中の物を地面にはきだした。
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| そしてその中にあった高価な物を見つけとろうとした。
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| そこへ一人の男が路地裏での出来事を発見。
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| 亮太の親友にして悪友の森川ゆうじである。
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ゆうじ | 「なにやってるんだ!!」
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| 不良に向かって声を上げる。
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不良一 | 「ちっ、人がきやがったか」
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不良二 | 「俺が片づけてやるよ」
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| 不良はゆうじに向かっていきなり拳を突き出してきた。
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| ゆうじはその拳を軽く払って、不良をゴミ置き場のところまで放り込んだ。
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| 不良はゴミ置き場に埋もった。
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鮎 美 | 「あっ・・・」
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| そしてわずか数秒の間にゆうじはもう一人の不良を得意の合気道でゴミ置き場にまで吹っ
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| 飛ばした。そして美鷺と鮎美の腕をつかむ。
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ゆうじ | 「さあ、早くこの場から逃げるよ」
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| 三人はその場から離れ不良の難を回避した。
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ゆうじ | 「ここまで逃げてこればもう大丈夫」
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鮎 美 | 「あ、あの・・・」
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ゆうじ | 「とにかく二人とも学校へ行こう」
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鮎 美 | 「えっああ・・・」
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| ゆうじは二人を安全なところ(学校前)まで運んだあと自分の教室へと戻っていった。
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鮎 美 | 「・・・・・・あっ」
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| 鮎美の足下にゆうじの生徒手帳が落ちていた。
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鮎 美 | 「森川ゆうじさん・・・」
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美 鷺 | 「鮎美ちゃん・・・」
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鮎 美 | 「ぽっ・・・・・・」
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美 鷺 | 「ちょっとはこっちの心配はないのかい(つっこみ)」
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| 美鷺は鮎美の胸につっこみを入れる。
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| そして授業前。
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ほたる | 「大丈夫美鷺ちゃん?」
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美 鷺 | 「大丈夫じゃないよ、髪なんかもう滅茶苦茶」
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ほたる | 「災難だったねえ〜」
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美 鷺 | 「本当に災難よ、今日はついてないったらありゃしない」
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ほたる | 「あ〜髪の毛なおしてあげるね」
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美 鷺 | 「ありがとう」
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| ほたるは髪ブラシで美鷺の髪の毛を直す。
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ほたる | 「ところで鮎美ちゃんどうしたの?なんだか呆けっとしているみたいだけど?」
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美 鷺 | 「なんだか私達を助けてくれた人にお熱なの」
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ほたる | 「ほえ〜」
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| 生徒手帳をみながらため息ばかりする鮎美。それを見つめる二人。
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ほたる | 「ところでその人助けてくれた人って誰?」
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美 鷺 | 「いかにも勉強の虫って感じで、眼鏡をかけていて、体は華奢(きゃしゃ)だけど、とって
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| も強いの。生徒手帳に名前と顔写真があるから見てみたら?」
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| ほたるは鮎美から生徒手帳を見せてもらう。
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ほたる | 「あ〜〜、この人お兄ちゃんの友達だよ」
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鮎 美 | 「え、本当!!」
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ほたる | 「いきなり大声あげないでよ」
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鮎 美 | 「ご、ごめんなさい」
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ほたる | 「よく家に遊び来ているから、ほたるよく知っているよ」
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鮎 美 | 「・・・ほたるちゃん」
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ほたる | 「何〜?」
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鮎 美 | 「この人のこと、もっと教えて、どんな小さな事でもいいから」
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ほたる | 「そして告白でもする〜?」
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| 赤くなる鮎美。
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鮎 美 | 「そ、そ、そ、そ、そんな・・・わたしはただ、この人のことが知りたいだけ・・・」
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美 鷺 | 「鮎美ちゃん、遠慮しないで当たって砕けろよ」
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ほたる | 「砕けちゃまずいよ美鷺ちゃん」
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美 鷺 | 「そうね、よし私達が応援してあげるから、思い切って告白しよう!!!」
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鮎 美 | 「え、あ、その・・・」
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| 余計に赤くなる鮎美。
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美 鷺 | 「よーし、昼休みになったら森川さんの教室へ行こう!」
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ほたる | 「さーいまから準備しておこう!」
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| 他人事ながら燃えに燃えまくる二人。
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鮎 美 | 「・・・・・・(どうしよう、こんな事になって私・・・)」
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| 鮎美自身こんな気持ちになったのは初めてのことである。
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| 気持ちの整理がつかないまま昼休みへと時間は過ぎていく。
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| ところかわって亮太のクラス。
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ゆうじ | 「あれ、おかしいなあ〜」
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五 月 | 「どうした森川君?」
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ゆうじ | 「どこ探しても生徒手帳がないんだよ」
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五 月 | 「家においてきたんじゃないの?」
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ゆうじ | 「いや、そんなはずはないんだけどなあ〜」
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| 鞄から制服のあちこちを探すゆうじ。
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五 月 | 「森川君、授業が始まるよ」
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ゆうじ | 「あ、ああ・・・またあとで探すか・・・」
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| こちらも昼休みへと時間は過ぎていく。
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| ちなみに亮太はいまだ入院中。
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