| 亮太達が庭の手入れをしていた同時刻、とある路地裏でローズが倒れていた。
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| 体には無数の爪で斬撃されていた。そしてあたりには赤い血が流れていた。
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ローズ | 「・・・・・・」
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| 喋る力もなかった。そして動く力も・・・
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| 五時間前・・・
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| 病院から刹那とともに一緒に暮らしているアパートに帰る途中、ローズの背後より一人の
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| シスターが近づいてきた。
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| そう、聖零が・・・
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ローズ | 「どうして私をつけるの?」
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聖 零 | 「あなたの力を試させてもらいます」
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ローズ | 「えっ・・・」
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| ローズが背後を振り向いた途端、聖零は姿を消した。
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| いや、空高く上にいた。
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聖 零 | 「死を見ましょう」
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| ズバーーーーーーーーーーン
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| 聖零の爪とローズの携帯していた鞄がぶつかる。
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| しかし聖零の爪はあっさりと鞄を切り裂きローズの体を貫く。
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| 爪はローズの体を貫通。RAでなければ即死の一撃であった。
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聖 零 | 「残念です、この程度だったんですね」
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| そして爪はローズから切り離される。
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ローズ | 「ぐあああ・・・・」
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| ローズはその場に倒れた。
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聖 零 | 「温朗様が作られたRAもたいしたことはなかったと・・・」
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| 用も済みその場を去ろうとしたそのとき、聖零の服を必死につかむローズ。
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ローズ | 「私の力はこんなものじゃないわよ・・・」
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| ローズは全エネルギーを放出して真空の刃を聖零にぶつける。
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聖 零 | 「くっ・・・」
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| 聖零はまともに両腕にヒット、しかしうまく散開させたためダメージを受けなかった。
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聖 零 | 「悪あがきですね」
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| 聖零は爪をローズに再び刺そうとした。しかしローズはすでに気を失っていた。
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聖 零 | 「殺す必要はないですね、次はRA3」
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| その場から姿を消す
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| あとには虫の息のローズだけが残る。
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| そして・・・
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詩 雪 | 「RA5はたいしたことがなかった、しかし最後の真空の刃は価値のある情報と」
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聖 零 | 「はい、多分RA5は戦闘向きではないものと思われます」
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詩 雪 | 「そうね、ところでRA3、他の人が呼ぶ名ではらららの方は?」
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聖 零 | 「体力が回復次第行動を起こします」
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詩 雪 | 「体力が回復次第?」
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聖 零 | 「RA5が放った最後の真空は私を急激な酸欠に至らしめたようです」
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詩 雪 | 「そう、わかったわ」
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聖 零 | 「ではひとまずカプセルに入っています」
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| そういうと教会の地下に作られた研究所のカプセルへと入っていった。
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| 詩雪はしばらく町に出ることにした。
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| 自分がアメリカで色々特許をとって儲けたお金で町に買い出しに出かけた。
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| 外に出たと同時に携帯をかける。
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受 付 | 「はいこちら第3RA研究所です」
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詩 雪 | 「桂木詩雪です、青田正吾につなげてください」
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受 付 | 「わかりました、一応パスコードをお願いします」
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詩 雪 | 「SK−F1332515D5」
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受 付 | 「了解、すぐに青田様におつなげいたします」
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| 十数秒後。
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青 田 | 「なんでしょうか御嬢様?」
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詩 雪 | 「町に出るんだけど警護の人を寄越して欲しいのだけど」
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青 田 | 「ハウゼンとガラスをそちらに向かわせます」
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詩 雪 | 「ありがとう、ところでRA9計画の方はどう?」
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青 田 | 「はい、順調に進んでおります」
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詩 雪 | 「そう、明日までにRA5との実戦データを送信しておきます」
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青 田 | 「わかりました、これで失ったRA5のデータを復帰することが出来ます」
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詩 雪 | 「では後のことは宜しく」
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| 携帯を切る。
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| 数分後二人のボディガードのハウゼンとガラスが現れる。
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ハウゼ | 「車を用意しました」
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詩 雪 | 「いえ結構、歩いていきたいの」
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ハウゼ | 「わかりました」
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ガラス | 「・・・・・・」
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| 三人は町向かった。
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| まず商店街によった。
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ハウゼ | 「いつきても日本はごみごみしている」
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詩 雪 | 「ハウゼンはアメリカの牧場出身ですからね」
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ハウゼ | 「都会は性に合いません」
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詩 雪 | 「文句は言わないでね、これが貴方達の仕事なんだから」
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ハウゼ | 「ですね」
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詩 雪 | 「ところであの店は何かしら?」
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| 詩雪の視線の先には柳脩海の店があった。
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| そこには亮太とほたると柳がいた。
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詩 雪 | 「あの男は・・・」
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ガラス | 「桜部亮太、RA3の現在のマスターです」
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ハウゼ | 「まだ小僧ではないか」
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ガラス | 「空手の腕は有段者クラスとの調査内容があります」
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ハウゼ | 「所詮島国の武術、俺にかかれば大したことはない」
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詩 雪 | 「ハウゼン、まだ問題は起こさないでね」
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ハウゼ | 「心得てます」
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詩 雪 | 「そうだ、ここのスーパーで今日の御飯を買いたかったから荷物係お願いね」
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ハウゼ | 「はいはい」
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| その後大きな荷物は二人の視界を奪うこととなった。
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| そして・・・
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ららら | 「・・・綺麗な月」
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| 病室から綺麗な月を見上げるららら。
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ららら | 「いつになったら治るかなあ〜この腕」
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| 包帯まみれの腕を見る。
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ららら | 「どれだけ治ってるかなあ〜」
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| 徐(おもむろ)に包帯をとってみる。
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ららら | 「あれ?治ってる」
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| 傷跡も見事に消えて腕も見事に動く。
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ららら | 「明日にでも退院させてもらおっと」
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??? | 「じい〜」
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| らららを見つめる一人の少女がいた。
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ららら | 「どうしたの?」
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??? | 「・・・お姉ちゃん暇?」
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ららら | 「暇だけど?あなたは誰?」
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| 「神蘇杜千鼓(かみそとちこ)、チコて呼んで・・・」
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ららら | 「千鼓ちゃんここに入院しているの?」
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千 鼓 | 「うん、暇だから・・・お母さんもお父さんもいないから」
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ららら | 「そうなんだ・・・じゃあちょっとだけ遊ぼ」
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千 鼓 | 「うん」
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| その日は夜遅くまで病院に明かりがついていた。
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