詩 雪 | 「青田、聖零の様子は?」
|
青 田 | 「力を過剰に出しすぎたのもありますが、もう一つの人格が出ているときは力の抑制が出来
|
| ていないようです」
|
詩 雪 | 「で、影響は?」
|
青 田 | 「このまま第二の人格が出るようなことが多くなると、命に関わります」
|
詩 雪 | 「改善策は?」
|
青 田 | 「第二の人格が出た状態で、人格操作をしなければいけません」
|
詩 雪 | 「・・・・・・」
|
青 田 | 「しかし第二の人格が出た状態では私達の手に負えるものではありません」
|
詩 雪 | 「抑制の首枷の効力は?」
|
青 田 | 「もう限度を超えています」
|
詩 雪 | 「RA9を使うことは出来ない?」
|
青 田 | 「まだデータ不足で・・・」
|
詩 雪 | 「一刻も早くらららのデータ取りが必要と」
|
青 田 | 「はい、F−MAXチップの再現が優先」
|
詩 雪 | 「チップをはがせばらららに待つものは死のみ」
|
青 田 | 「ゆえにはがさずにデータ取りをというわけですな」
|
詩 雪 | 「そう、なんとか聖零とRA9の二つをより強固にして憎いあの人を倒さなくては・・・」
|
青 田 | 「しかし今あの方は刑務所の中」
|
詩 雪 | 「大丈夫、いざとなれば・・・」
|
青 田 | 「いいのですか、実の父を・・・」
|
詩 雪 | 「いいのです、聖零を汚したあの人など、桂木温朗など・・・」
|
| ・・・約十年前(詩雪四歳のとき)
|
詩 雪 | 「緒方、聖零はどこ?」
|
緒 方 | 「聖零ならさっき温朗様の部屋に行きましたよ」
|
詩 雪 | 「ありがとう」
|
| 詩雪は温朗の部屋に向かう。
|
詩 雪 | 「お父様、聖零はいる?」
|
| ドアを叩くも返事がない。
|
詩 雪 | 「どこへ行ったのかな・・・?」
|
| 温朗の部屋の前から去っていく。
|
温 朗 | 「・・・」
|
聖 零 | 「・・・」
|
温 朗 | 「返事はしないのか?」
|
聖 零 | 「・・・・・・」
|
温 朗 | 「では続けようか・・・・・・」
|
| 温朗の部屋で聖零は研究のため裸身で検査が続けられていた。
|
| ・・・約五年前
|
詩 雪 | 「聖零、もう少しで目を開けさせてあげるわ・・・」
|
| 聖零が目を閉じてからようやく目を開けさせる手前まで来ている。
|
詩 雪 | 「さて、その前に聖零の記憶を整理しておかなくては・・・」
|
| 高度な技術の結晶の機械で聖零の脳裏をビジョンに映し出す。
|
| その映像は過去に温朗が聖零にした行為が映し出されていた。
|
詩 雪 | 「聖零・・・あなたは・・・」
|
| そしてそれだけではなく、聖零の汚れた過去が浮き彫りになる。
|
| 幼い頃違法な場所で奴隷市で売られていたこと。
|
| そしてそれが摘発されて保護されていたところを緒方に拾われる。
|
| 屋敷で聖零は温朗の研究材料の一つにすぎなかったこと。
|
| そして・・・
|
詩 雪 | 「こ、この人は・・・・・・」
|
| 映像にはある男が聖零を襲っていた・・・その先のシーンはとても詩雪には見ることがで
|
| きなかった。
|
| 映像を切ったあと、その場で泣き伏した。
|
詩 雪 | 「聖零、私の知らないところでこんな酷い目にあっていたなんて・・・・・許さない」
|
| 詩雪は復讐の心を持つようになった。
|
| そして・・・
|
聖 零 | 「・・・詩雪様・・・」
|
詩 雪 | 「聖零、目が覚めたのね」
|
聖 零 | 「私は・・・」
|
詩 雪 | 「何も言わないで、もう少しよ」
|
聖 零 | 「詩雪様・・・・・・」
|
詩 雪 | 「数時間後にらららが来るわ、ようやくRAの力を強固に出来るわ」
|
聖 零 | 「・・・・・・」
|
青 田 | 「詩雪様、大変です」
|
詩 雪 | 「何か問題でも起こりましたか?」
|
青 田 | 「温朗様が刑務所から脱走したそうです」
|
詩 雪 | 「なんですって!!!」
|
青 田 | 「そしてこちらに向かっているそうです」
|
詩 雪 | 「お父様には計画は知られてはいないからここに来たらなんとかしてその場をおさめなくて
|
| は・・・」
|
青 田 | 「RA3の件はどうしましょうか?」
|
詩 雪 | 「・・・・・・今から私が直接会いに行くわ、そしてあの人には聖零のことと、RA9の事
|
| は知られないように」
|
青 田 | 「わかりました、詩雪様はお早めに用意を、付き添いにハウゼンとガラスを」
|
詩 雪 | 「わかったわ」
|
| 詩雪、青田は早速行動。
|
| 一方亮太はというと
|
亮 太 | 「ららら、行くぞ」
|
ららら | 「あ〜まってよ」
|
亮 太 | 「遅いぞ置いて行くぞ」
|
ららら | 「マスターのいけず」
|
亮 太 | 「・・・・・・」
|
ほたる | 「お兄ちゃん、早く帰ってきてね」
|
亮 太 | 「留守番頼むぞ」
|
ほたる | 「うん」
|
| にっこり頷くほたる。
|
亮 太 | 「さてと・・・」
|
| 壊れた玄関から出ようとしたその時
|
詩 雪 | 「・・・時間がありません、予定とは狂いましたがお願いがあります」
|
ららら | 「どうしたのしーちゃん?」
|
詩 雪 | 「わたしが考えていた計画を全てお話しいたします」
|
| 詩雪は自分がいままでなぜそういったことを行っていたかについてを話し始めた。
|
| 亮太とらららは協力することにした。
|
| そして亮太達一行は第三RA研究所に向かった
|