| 休み時間・・・
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| 亮太は一人屋上で昼寝をしていた。
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亮 太 | 「ぐ〜・・・」
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| 心地よく眠っている。
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| そこへ一人の女性がやってくる。
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| かなり前に登場した神輿雫である。
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神輿雫 | 「めずらしいですね、あなたが一人で屋上にいるなんて」
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亮 太 | 「なんだよ雫、また空手部への勧誘か?」
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神輿雫 | 「姉じゃありませんから・・・」
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亮 太 | 「そうか、ならなんだ?」
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神輿雫 | 「一つお願いがあります」
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亮 太 | 「なんだ?」
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神輿雫 | 「明日一日私の恋人役になってくれませんか」
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亮 太 | 「ぶふぅーー、げほげほ、いきなりなんだよ」
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神輿雫 | 「明日私のお見合いがあります、どうしても断りきれないので、恋人がいると言うことにす
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| れば先方も無理強いはしないと思いますので・・・」
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亮 太 | 「で、何で俺なんだ?クラスのやつでいいなら杉下やゆうじやヤナでもいいじゃないのか?」
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神輿雫 | 「一番暇そうでしたから」
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亮 太 | 「おい・・・」
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神輿雫 | 「それに雑賀さんからも許可はいただいています」
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亮 太 | 「五月の野郎・・・ってなんであいつから許可が必要なんだ?」
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神輿雫 | 「クラスでは公認のカップルではないですか」
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亮 太 | 「・・・そうなの?」
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神輿雫 | 「そうですよ」
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亮 太 | 「・・・・・・」
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神輿雫 | 「というわけで明日の朝私の家に来てください」
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亮 太 | 「はい」
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神輿雫 | 「では失礼」
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| 静かに去っていく。
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| そして亮太も屋上を後にする。
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| 放課後・・・
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ほたる | 「美鷺ちゃんどうしたの?」
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美 鷺 | 「ん、ちょっとね・・・」
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鮎 美 | 「なにかあったの?」
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美 鷺 | 「う、うん、私のお兄ちゃんが明日お見合いするみたいなんだけど、相手が恋人がいるから
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| お断りするっていってきてるんだけど、お兄ちゃん断られたことにプライドを傷つけられ
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| て明日相手に会うって言ってるの・・・」
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ほたる | 「大変だねえ〜」
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美 鷺 | 「で、困ってるの・・・」
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ほたる | 「じゃあ明日みんなで後をつけよ」
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美 鷺 | 「・・・悩んでいても仕方ないからそうしよ」
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鮎 美 | 「そんなことしちゃいけないと・・・」
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美 鷺 | 「だ〜め、女仲良し三人組強制参加」
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鮎 美 | 「えええ〜ん(泣)」
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ほたる | 「残念だったね、森川さんとデートできなくて(意地悪く)」
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鮎 美 | 「え、あ、そんな・・・(照れる)」
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| かくして三人は尾行大作戦を決行することになった。
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| そして・・・
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神輿雫 | 「と、いうわけで正式に断ってください、私にはまだ婚約は早いです」
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神輿父 | 「そんなに嫌か」
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神輿雫 | 「はい」
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神輿父 | 「そうか、しかし相手は一度あわんことには引き下がらない様子だ」
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神輿雫 | 「その時は私が直接断ります」
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神輿母 | 「・・・あなた・・・折角の見合いが・・・」
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神輿父 | 「娘も漸く自分で判断できる年頃になったというわけだ」
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| 雫は大広間を後にする。
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| 廊下を歩いていると姉の霧がいた。
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神輿霧 | 「どうするの雫」
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神輿雫 | 「もう対策は考えました、それより姉さんの方はどうなんですか?去年お見合いした神輿霄
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| (遠縁)とはどうなんです」
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神輿霧 | 「なんとなく・・・」
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神輿雫 | 「神輿霄さんは私の相手よりいい人みたいだし、何より姉さんと互角に渡り合える格闘家だ
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| から馬が合うと思うんだけど」
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神輿霧 | 「あの人は今修行で東の山に行っているし・・・邪魔しちゃ悪いし・・・」
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神輿雫 | 「・・・・・・のろけているね・・・」
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神輿霧 | 「そうかしら」
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| 二人の会話はかなり長く続いたご様子。
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| 一方とある町中にて・・・
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??? | 「・・・・・・いつ来てもこの町はクズね・・・」
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| 一人の女が町を貶し(けなし)ながら歩いていた。
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| その女性は外見はあれた服を来ているものの、顔立ちは綺麗な女性である。
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| この女性はある家に向かって歩いている。
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| その先には新しく建て替えた雑賀家がある。
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| そうこの人物は雑賀家に縁(ゆかり)のあるものである。
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??? | 「ふ、やっと着いたわ・・・」
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| 玄関を前にして相変わらず愚痴を垂れる。
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??? | 「帰ってきたわよ、早く開けなさい」
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ばあや | 「あ、御嬢様お帰りなさい、今開けますね」
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??? | 「元気そうね栢ばあ〜(ばあやの本名)」
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栢ばあ | 「お父様方がお待ちです」
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??? | 「全く今頃になって呼び戻すなんて・・・何考えているのかしら」
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栢ばあ | 「御嬢様に何か大事なお話があるようです」
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??? | 「またどーーーーせくだらない事でしょう」
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栢ばあ | 「そんな事言わずに」
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??? | 「はいはい」
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| 文句だらだらで家に入っていく。
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栢ばあ | 「・・・」
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| 心配そうに見つめるばあや。
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五 月 | 「あら、四月姉さん帰ってきたの?」
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四 月 | 「久しぶりね五月・・・腕の怪我はどうしたの?」
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五 月 | 「あ、これはちょっとした事件に巻き込まれてね」
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四 月 | 「そう、大変だったわねえ・・・後でまた話をしましょう」
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五 月 | 「そうですね」
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| 五月と四月は後妻との間に出来た双子の姉妹である。顔立ちはほぼ同じだが性格は百八十
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| 度違っている。幼い頃四月はあるきっかけで雑賀家を出ることになり、いままで別の地で
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| 生活をしていた。
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四 月 | 「さてと・・・・・・」
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| 四月は父のいる部屋に入っていった。
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四 月 | 「何のようなの、親父」
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