ららら/伍拾話

Fの根源

    こちら大宝の森
亮 太「ぜーはーぜーはー・・・」
    ずっと五月を背負いながら森の中を歩く。
    トコトコトコトコ・・・
猫 子「もう少しでつきます」
    森の奥へ奥へと一行は進んでいく。
亮 太「最初っから奥へ移動すればよかったんじゃないのか?」
猫 子「・・・そうですね」
    で、再度空間移動
    そして大宝の森の奥深くにつく。
亮 太「ようやくついたか、村があるのか・・・」
    辺りを見回す亮太とららら。
亮 太「あの・・・家はあるけど村の人がいませんね・・・」
猫 子「・・・だってこの村には私しかいないもん」
亮 太「え?」
猫 子「この村の人は皆死んじゃったの・・・ずっと、ずっと昔に・・・私が4歳のとき・・・」
亮 太「4歳?」
猫 子「うん、もう8年前のこと・・・ずっとずっと一人でこの村の大宝を守ってきた・・・」
ららら「ずっとひとり・・・」
猫 子「うん、寂しかった・・・」
亮 太「はあ・・・」
猫 子「で、これが大宝です」
    金庫からそれを取り出す。
亮 太「いきなりだな・・・これは・・・何?」
猫 子「私の村に昔から伝わる大宝の珠です」
亮 太「ものすごく違和感が感じる珠だな・・・いつ!」
    触ろうとした途端いきなり痺れるような感触を感じる。
亮 太「何だこの珠は・・・」
猫 子「この珠を手にしたものは強力な力を得ると伝えられています」
ららら「なんか私の中にあるものと共鳴している感じ?」
亮 太「共鳴?何からららの体のものと反応しているのか?」
ららら「うん、多分F−MAXチップだと思う」
猫 子「昔大宝の珠はもう一つありましたが、この森に流れ着いた人に一つ託したことがありまし
    た、もしかしてそれかもしれません」
ららら「その人ってもしかして桂木文貴?」
猫 子「はい、とってもやさしい人でした、でもその人は言いました、他の桂木を名乗るものが現
    れたら絶対にこの珠は渡してはいけないと・・・」
亮 太「で、その珠を守るために俺たちを呼んだ・・・ってのはいいけど何で俺達なの?」
猫 子「らららさんが珠を持っているということは感じていました、そしてその近くにあなたがい
    るということも」
亮 太「で、いやがおうに俺に白羽の矢が立ったわけだ・・・」
猫 子「そういうこと」
ららら「はあ・・・で、それを狙う桂木聖華さんは?」
猫 子「もう森の前まで来てます」
亮 太「なんでわかるの?」
猫 子「私は相手の思念を読み取ることが出来ます」
ららら「思念・・・って考えていること全部分かっちゃうの?」
猫 子「はい、だから今そこで寝ている五月さんの考えていることも分かります」
ららら「何を考えているの?」
猫 子「その人は亮太さんのことが好きみたいです」
ららら「それはわかってるけど、他には?」
猫 子「寝たふりしてます」
亮 太「えっ!」
五 月「ばれちゃった」
亮 太「起きてるなら言えよ・・・ずっと背負ってたんだぞ」
五 月「楽したかったから、それにかなり久しぶりだし亮太に背負ってもらったのは、幼稚園以来
    かな」
亮 太「昔のことはいいから降りろ〜!!」
五 月「無理、腕だけじゃなくて足も捻挫しちゃったから歩けない」
猫 子「嘘はついていないようです」
ららら「いつまでもべったりとマスターとくっついていたら駄目!」
    わんやわんや・・・
    一方森の前にて
聖 華「なんとしても桂木文貴が開発したチップの素材を入手しなければ、桂華、橋華いくわよ」
桂 華「はい・・・」
橋 華「了解♪♪♪」
    桂木聖華は自らが開発したRAを連れて森へと入っていく。
    ちなみに桂華と橋華の正式名称は桂華がRSK−3、橋華がRSK−2
聖 華「面倒臭いわ、橋華、森に火を放って」
橋 華「はい〜♪♪♪」
    橋華は用意した火炎放射器にスイッチを入れる。
橋 華「さーて、燃やし尽くしちゃうよ♪♪♪」
    シュワーーーーーー!!!
    炎は勢いよく木々に燃え広まる。
猫 子「やめて、森を燃やさないで」
聖 華「ならすぐにでも大宝の珠を出すんだね」
猫 子「嫌です、これはお爺ちゃんの形見・・・絶対に渡さない、あなたになんか」
聖 華「桂華」
    聖華の呼びで桂華は猫子突進。
ららら「たーーーー!!」
    バシ!
    らららは桂華を弾き飛ばす。
ららら「猫子ちゃんには手を出させない」
聖 華「な、なぜらららがここに・・・」
ららら「猫子ちゃんに代わって悪を退治する!」
聖 華「悪とは心外ね、こうなったら力ずくでも手に入れるまで」
ららら「絶対にさせない、ね、マスター・・・って」
聖 華「そこの男、女を背負った(しょった)ままというのはなめ過ぎではないか」
亮 太「仕方ないだろ、怪我してんだから、まあハンディだな」
五 月「そーだそーだ」
    他人事のように言う五月。
聖 華「・・・まあいい、後で後悔しても知らん、用意はいいな桂華、橋華」
桂 華「はい」
橋 華「燃やし尽くしちゃうんだから♪♪♪」
亮 太「あーは言ったものの五月、一応背負ったまま戦うしかないがお前も扇子で戦ってくれ」
五 月「分かってる」
猫 子「私は戦うのは苦手なので見てます」
聖 華「珠を手に入れる前にまずはそなた達を血祭りにあげてくれる」
    双方構える。
亮 太「いくぞーーーーーー!!!」

あとがき「ゲスト・猫子」
ITK「一応女子格闘編はF−MAXチップの根源をのべました」
猫 子「で、大宝の珠って本当の所なんですか?」
ITK「・・・ITK世界独自の鉱石でテラクリスタルです」
猫 子「テラクリスタル」
ITK「はい、兆の水晶です」
猫 子「兆の水晶・・・由来は?」
ITK「今現在PCで主流の容量ギガを上回る容量単位で、無限の可能性を秘めたものという意味
    を込めています」
猫 子「効能は?」
ITK「究極の力を引き出すことが出来ます、また増幅させます」
猫 子「で、それを桂木聖華が手に入れようとしている」
ITK「そうです、ちなみにらららはまだその力を完全には引き出せてはいません、A7の戦いで
    もまだほんの一部に過ぎません」
猫 子「こわ〜」
ITK「というわけです」

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