| こちら大宝の森
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亮 太 | 「ぜーはーぜーはー・・・」
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| ずっと五月を背負いながら森の中を歩く。
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| トコトコトコトコ・・・
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猫 子 | 「もう少しでつきます」
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| 森の奥へ奥へと一行は進んでいく。
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亮 太 | 「最初っから奥へ移動すればよかったんじゃないのか?」
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猫 子 | 「・・・そうですね」
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| で、再度空間移動
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| そして大宝の森の奥深くにつく。
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亮 太 | 「ようやくついたか、村があるのか・・・」
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| 辺りを見回す亮太とららら。
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亮 太 | 「あの・・・家はあるけど村の人がいませんね・・・」
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猫 子 | 「・・・だってこの村には私しかいないもん」
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亮 太 | 「え?」
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猫 子 | 「この村の人は皆死んじゃったの・・・ずっと、ずっと昔に・・・私が4歳のとき・・・」
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亮 太 | 「4歳?」
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猫 子 | 「うん、もう8年前のこと・・・ずっとずっと一人でこの村の大宝を守ってきた・・・」
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ららら | 「ずっとひとり・・・」
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猫 子 | 「うん、寂しかった・・・」
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亮 太 | 「はあ・・・」
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猫 子 | 「で、これが大宝です」
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| 金庫からそれを取り出す。
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亮 太 | 「いきなりだな・・・これは・・・何?」
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猫 子 | 「私の村に昔から伝わる大宝の珠です」
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亮 太 | 「ものすごく違和感が感じる珠だな・・・いつ!」
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| 触ろうとした途端いきなり痺れるような感触を感じる。
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亮 太 | 「何だこの珠は・・・」
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猫 子 | 「この珠を手にしたものは強力な力を得ると伝えられています」
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ららら | 「なんか私の中にあるものと共鳴している感じ?」
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亮 太 | 「共鳴?何からららの体のものと反応しているのか?」
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ららら | 「うん、多分F−MAXチップだと思う」
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猫 子 | 「昔大宝の珠はもう一つありましたが、この森に流れ着いた人に一つ託したことがありまし
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| た、もしかしてそれかもしれません」
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ららら | 「その人ってもしかして桂木文貴?」
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猫 子 | 「はい、とってもやさしい人でした、でもその人は言いました、他の桂木を名乗るものが現
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| れたら絶対にこの珠は渡してはいけないと・・・」
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亮 太 | 「で、その珠を守るために俺たちを呼んだ・・・ってのはいいけど何で俺達なの?」
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猫 子 | 「らららさんが珠を持っているということは感じていました、そしてその近くにあなたがい
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| るということも」
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亮 太 | 「で、いやがおうに俺に白羽の矢が立ったわけだ・・・」
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猫 子 | 「そういうこと」
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ららら | 「はあ・・・で、それを狙う桂木聖華さんは?」
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猫 子 | 「もう森の前まで来てます」
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亮 太 | 「なんでわかるの?」
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猫 子 | 「私は相手の思念を読み取ることが出来ます」
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ららら | 「思念・・・って考えていること全部分かっちゃうの?」
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猫 子 | 「はい、だから今そこで寝ている五月さんの考えていることも分かります」
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ららら | 「何を考えているの?」
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猫 子 | 「その人は亮太さんのことが好きみたいです」
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ららら | 「それはわかってるけど、他には?」
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猫 子 | 「寝たふりしてます」
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亮 太 | 「えっ!」
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五 月 | 「ばれちゃった」
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亮 太 | 「起きてるなら言えよ・・・ずっと背負ってたんだぞ」
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五 月 | 「楽したかったから、それにかなり久しぶりだし亮太に背負ってもらったのは、幼稚園以来
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| かな」
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亮 太 | 「昔のことはいいから降りろ〜!!」
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五 月 | 「無理、腕だけじゃなくて足も捻挫しちゃったから歩けない」
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猫 子 | 「嘘はついていないようです」
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ららら | 「いつまでもべったりとマスターとくっついていたら駄目!」
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| わんやわんや・・・
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| 一方森の前にて
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聖 華 | 「なんとしても桂木文貴が開発したチップの素材を入手しなければ、桂華、橋華いくわよ」
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桂 華 | 「はい・・・」
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橋 華 | 「了解♪♪♪」
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| 桂木聖華は自らが開発したRAを連れて森へと入っていく。
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| ちなみに桂華と橋華の正式名称は桂華がRSK−3、橋華がRSK−2
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聖 華 | 「面倒臭いわ、橋華、森に火を放って」
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橋 華 | 「はい〜♪♪♪」
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| 橋華は用意した火炎放射器にスイッチを入れる。
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橋 華 | 「さーて、燃やし尽くしちゃうよ♪♪♪」
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| シュワーーーーーー!!!
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| 炎は勢いよく木々に燃え広まる。
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猫 子 | 「やめて、森を燃やさないで」
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聖 華 | 「ならすぐにでも大宝の珠を出すんだね」
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猫 子 | 「嫌です、これはお爺ちゃんの形見・・・絶対に渡さない、あなたになんか」
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聖 華 | 「桂華」
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| 聖華の呼びで桂華は猫子突進。
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ららら | 「たーーーー!!」
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| バシ!
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| らららは桂華を弾き飛ばす。
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ららら | 「猫子ちゃんには手を出させない」
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聖 華 | 「な、なぜらららがここに・・・」
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ららら | 「猫子ちゃんに代わって悪を退治する!」
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聖 華 | 「悪とは心外ね、こうなったら力ずくでも手に入れるまで」
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ららら | 「絶対にさせない、ね、マスター・・・って」
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聖 華 | 「そこの男、女を背負った(しょった)ままというのはなめ過ぎではないか」
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亮 太 | 「仕方ないだろ、怪我してんだから、まあハンディだな」
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五 月 | 「そーだそーだ」
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| 他人事のように言う五月。
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聖 華 | 「・・・まあいい、後で後悔しても知らん、用意はいいな桂華、橋華」
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桂 華 | 「はい」
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橋 華 | 「燃やし尽くしちゃうんだから♪♪♪」
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亮 太 | 「あーは言ったものの五月、一応背負ったまま戦うしかないがお前も扇子で戦ってくれ」
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五 月 | 「分かってる」
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猫 子 | 「私は戦うのは苦手なので見てます」
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聖 華 | 「珠を手に入れる前にまずはそなた達を血祭りにあげてくれる」
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| 双方構える。
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亮 太 | 「いくぞーーーーーー!!!」
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