| 空は曇り空となる。
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| そして徐々に雨が降り出す。
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| ついには土砂降りになる・・・。
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亮 太 | 「うわあ〜雨降り過ぎ・・・」
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| 対戦のあと、帰路についた亮太であったが、いきなりの大雨に困り果てる。
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亮 太 | 「はあ・・・ん?」
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ネ コ | 「ニャ〜」
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| ごみ置き場で蹲って(うずくまって)いるネコを発見。
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亮 太 | 「ネコか・・・そういえばトラ(昔かっていたネコ)はどうしているかな・・・」
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ネ コ | 「ニャア〜」
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亮 太 | 「・・・仕方ないなあ・・・」
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| 亮太はネコを懐に抱えて持ち帰る事にした。
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ネ コ | 「ニャア〜♪」
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| 悲しい泣き声から嬉しそうな鳴き声に変わったような気がした。
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亮 太 | 「さてと・・・」
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| 亮太は家につく。
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亮 太 | 「ただいま」
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羽 美 | 「お帰りお兄ちゃん、あれそのネコどうしたの?」
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亮 太 | 「雨の中凍えてたから拾ってきた」
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羽 美 | 「じゃあネコちゃんの分も食事用意しておくね」
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亮 太 | 「悪いなあ、あれ姫野は?」
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羽 美 | 「お風呂入っているよ」
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亮 太 | 「おいおい、なんでまたいきなり風呂に入ってんだよ」
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羽 美 | 「ベランダに干してあった服を片付けるのを手伝ってもらってたんだけど、風で服が飛ばさ
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| れてそれをとろうとしてベランダからまっさかさまに落ちて下の水溜りに落ちたからその
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| 汚れを落とすために入っているの」
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亮 太 | 「明快なお答えありがとう・・・(でもよく無事だったよなあ・・・ベランダから落ちて)」
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| 不思議に思う亮太。
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姫野忍 | 「・・・ちょっとやばかったかも・・・」
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| ベランダから落ちたにもかかわらずまったく無傷の忍。
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姫野忍 | 「絶対に桜部君には知られてはいけない、私の秘密は・・・」
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| そしてお風呂から上がる忍・・・亮太がいないと思ってバスタオル一枚で・・・
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亮 太 | 「えっと、食事の準備の前に卓袱台(ちゃぶだい)を用意し・・・・・て???」
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姫野忍 | 「・・・・・・キャーーーーーーーーー!!!!!!!!」
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| アパートの外まで吹っ飛ばされる亮太。
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亮 太 | 「あたたたたた、って、アパートから吹っ飛ばされてかすり傷ですんでいる俺も不思議だわ
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| なあ・・・」
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| その日は少々?険悪になったものの食事をし、話をして分かれる。
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| そしてその夜。
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| 隣でぐっすりと眠っている羽美をよそに不意に眼が覚める亮太。
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亮 太 | 「・・・・・・」
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| 用を足しに立ち上がる。そしてトイレに一直線。
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亮 太 | 「・・・・・・」
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| 用を足し、再び眠りにつこうとするも眠れない。
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亮 太 | 「羽美はネコと一緒に眠っている、いい顔している」
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| 亮太は何か吹っ切れない気持ちを拭い去るべくアパートを後にする。
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| 亮太はどこへと決めたわけではないが、なんとなく三月の弁護士事務所へと足を進める。
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亮 太 | 「もう夜なのに明かりがついているなあ」
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| 亮太は事務所の中にはいる。
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三 月 | 「あなたもやるわねえ、五月」
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五 月 | 「姉さん、茶化さないで、亮太はああ見えても結構繊細なんだから、しっかりと見守ってい
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| てね」
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| 三月と五月が電話で話をしていた。
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亮 太 | 「こんにちわ」
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三 月 | 「あ、亮太君早速来てくれたの?」
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亮 太 | 「はあ」
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三 月 | 「ちょうどよかった、五月と今電話していた所なの、話する?」
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亮 太 | 「はあ、ま、久しぶりだし、あーもしもし」
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五 月 | 「え、あ、亮太、ね、姉さんいきなり不意打ちは汚いわよ」
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亮 太 | 「三月さんならもういないよ」
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五 月 | 「姉さん・・・」
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亮 太 | 「で、なんだ?」
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五 月 | 「ちょっと心配して電話してただけよ」
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亮 太 | 「そっか、じゃあ切るぞ」
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五 月 | 「あー、ちょっとまって、亮太いつこっちに帰ってこれるの?」
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亮 太 | 「今の所予定は無いけど?」
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五 月 | 「え〜、どうして?」
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亮 太 | 「義妹がいるし、入学したばかりで」
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五 月 | 「いつか帰ってきてね」
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亮 太 | 「そのときならなきゃわかんないって」
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五 月 | 「こなきゃ不幸の手紙送り続けてやる〜」
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亮 太 | 「あほか〜!!!」
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| がちゃん
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| 電話を切る。
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三 月 | 「あら終わったの?」
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亮 太 | 「一応・・・」
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三 月 | 「五月はああ見えてもさびしがりやだからね、本当はあなたと一緒に学校に行きたいのよ」
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亮 太 | 「と、言ってもねえ羽美には俺しか保護者はいないし」
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三 月 | 「妹思いね、ま、私もそうだけどね」
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亮 太 | 「はあ・・・」
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三 月 | 「さてと、仕事も暇だし、早速特訓するわよ」
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亮 太 | 「ひえ〜くるんじゃなかった・・・」
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三 月 | 「びっしびっしいくよ」
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亮 太 | 「はあ、今頃になって眠くなってきた・・・」
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| その夜は何時間も弁護士事務所の隣の道場からは電気音と拳の音が鳴り響いた。
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| そして朝になって帰宅。
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羽 美 | 「ぷー」
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亮 太 | 「わり、ちょっとでかけてた」
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羽 美 | 「羽美、お兄ちゃんがいなくなって心配したんだから・・・うえ〜ん」
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| 泣き出す羽美。
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亮 太 | 「うおあ〜泣くなあ」
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羽 美 | 「うえ〜ん」
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亮 太 | 「やれやれ、家に帰っても気が休まる事が無いなあ・・・」
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羽 美 | 「羽美、怒ったから学校に行かない」
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亮 太 | 「えっ?」
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羽 美 | 「今日はずっとお兄ちゃんと一緒にいる」
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亮 太 | 「・・・こりゃ参ったなあ・・・て、もう眠いから今日は学校に病気で休むって事にして早
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| い所寝るわ」
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羽 美 | 「羽美も一緒に寝るね」
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| ちなみに拾ってきたネコはその後アパートに住み着く事になる。
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