ららら/伍拾玖話

骸の翼

    亮太は学校へも行かず三月のいる弁護士事務所にいた。
三 月「いい、桜部君、もうこんなことばかりしているとお姉さんかばいきれないよ」
亮 太「・・・」
三 月「しばらくほとぼりが冷めるまでここにいなさい」
亮 太「いいよ・・・」
三 月「あ、ちょ、ちょっと」
    亮太は三月の制止を振り切りどこへと足を進める。
    亮太は自分の力を抑えられなかったことが腹立たしかった。
亮 太「ん、あれは・・・姫野?」
    亮太の目の中に学校に登校中のはずの姫野忍がいた。
    しかも私服で・・・
亮 太「何やってるんだあいつ・・・学校にも行かず・・・」
    自分のことを棚にあげて電信柱の隙間から覗いている亮太であった。
姫野忍「あ、もう限界が近いかも・・・・・・」
    姫野は突如路地裏へと逃げこむ。
亮 太「!?」
    亮太は咄嗟に姫野の後を追う。
    そして亮太の目の前には信じられない光景が写りだす。
姫野忍「はあ・・・・・・」
    姫野忍の背中から突如不気味な機械の羽が出現する。
    ジュシュキクゲキガキグルルルルビゲキュキュキューーー!!!
    完全に翼が出現。
姫野忍「はー、はー・・・発作がまた出てきた・・・」
亮 太「・・・!」
姫野忍「さ、桜部君・・・着ちゃ駄目!」
    忍は制止するも生えてきた翼から更に異様で機械が生み出されて亮太に襲いかかる。
姫野忍「だめーーーーーー!!!」
    ズバーーーン!!!
    間一髪で交わす亮太。
亮 太「姫野お前・・・」
姫野忍「見、見ちゃ嫌ー・・・」
亮 太「うわ、また来る」
    ズドン、ズバン、グスン!
    巨大なハネの触手が連続して亮太に襲い掛かる。
    亮太はいったいどうしてこうなったのか混乱する暇もないくらい本気で逃げまとっている。
亮 太「姫野、いったいどういうことだ・・・」
姫 野「ご、ごめんなさい・・・」
亮 太「姫野ーーー!!!」
    そこからは亮太は記憶が途切れる。
姫 野「・・・・・・」
    そして亮太は長い時間闇をさまようことになる。
???「おいこれはいったいどういうことだ!」
???「もう助かる見込みは有りません」
???「まさか一般人にまで被害が出るとは・・・」
???「たすかるのか・・・」
???「なんとか・・・」
    ・・・かすかに聞こえた声が途切れる・・・
    そしてしばらく時間がたって・・・
???「ごめんなさい・・・私、私・・・」
???「お前のせいじゃない、すべてはわれわれの管理ミスだ」
???「大変です、患者の容態が悪化しました」
???「すぐに治療にかかるぞ!」
    ・・・そして・・・
亮 太「はあ・・・」
    亮太は目を覚める。
羽 美「あ、お兄ちゃんよかった・・・うえ〜ん」
    亮太が目を覚ましたため泣き出す羽美。
亮 太「俺はいったい・・・」
    スパコーン!
亮 太「いてーー!!」
澄 子「元気そうじゃないかい、死にそうだっていうから駆けつけてやったのに」
亮 太「俺はいったい???」
澄 子「あれ、何も覚えてないのかい?雑賀さんとこの弁護士事務所に出た後、いきなり道端に倒
    れていたって言うじゃないかい」
亮 太「道端???」
    何かを思い出そうにもなぜか思い出せない・・・
亮 太「す、澄子おばさん、今日は何日?」
澄 子「十五日だよ」
亮 太「・・・もう十日も」
澄 子「さっき、学校や雑賀さんとも話し合ったんだけど亮太、転校しないかい?」
亮 太「えっ?」
澄 子「まあ、あんた一人をここに追いとくのも大変だからねえ〜」
亮 太「・・・」
澄 子「あたしが監視してあげるわよ」
亮 太「さいですか・・・」
澄 子「で、さすがに私んちは二人も引き取れないから羽美ちゃんは兄さんに引き取りにきてもらうから」
亮 太「そうですか」
羽 美「お兄ちゃん、せっかく一緒に暮らせたのに、もうお別れ・・・ぐす」
亮 太「なくな羽美、俺が大きくなったらまた一緒に暮らそうな」
澄 子「すまないねえ羽美ちゃん」
    そうして亮太は港町の澄子おばさんの住む家に住むことになった・・・。
    羽美はふたたび亮太の父が引き取ることになった。
姫野忍「・・・ごめんなさい、私が・・・」
???「・・・お別れは無しだぞ、お前の体はもう・・・・・・」
姫野忍「わかっています・・・でも・・・」
???「しかし、あの少年よく生きていたものだ・・・あんな攻撃を受けながら生きているのは初
    めてだぞ」
姫野忍「・・・」
???「しかし、あの少年に一時的とはいえ海王君の壊れたチップを直して上乗せして装着したが
    いずれ壊れる日が来るだろうから、その時また会わねばなるまい・・・」
姫野忍「!?」
???「だがそのときは・・・」
姫野忍「・・・はい、もう覚悟しております・・・」
???「そのときまでお前が生きているかは・・・」
姫野忍「はい・・・」
    そして・・・
亮 太「ちーす、世話なります」
ほたる「きゃーーーーーーーーーーー」
    いきなり体当たり式の抱きつき攻撃!
亮 太「ぐええ〜」
    一瞬天国が見えたような気がした。
    亮太の新しい生活が始まる、そして数ヵ月後、らららと出会うことになる・・・。

あとがき「ゲスト・ほたる」
ITK「ようやく終盤までこれた・・・」
ほたる「あともう少しで本編に復帰ですね」
ITK「はい、ちなみに青木ヶ原編は前後編の予定でしたが、前編八話後編二話で収めます」
ほたる「うわ〜あとが大変」
ITK「はい、あとに蓄えた話が結構控えているので苦労してます、ただ部屋のカオスの中に書き
    溜めていたものがうずくまっていて発掘が大変。早い所ファイルに閉じて整頓しておかな
    くては・・・(ちゃんと草案時の資料はファイルに収録積み)」
ほたる「で、第五部は何にするか決めましたか?」
ITK「684K編、女子格闘編続き、白纏編、神輿編等々・・・」
ほたる「決めましょうね・・・」

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