ららら/陸拾話

忘れ難き過去

    とある日、ある研究所が原因不明の大爆発を起こす。
    研究所の職員の大半がしたいすらも出ず消失していた・・・。
    死んでいるのか生きているのかも分からない・・・
    研究所のまわりには幾つものえぐられた様な穴が存在していた。
    更にあちこちで理解不能な異臭も放っていた・・・。
警 察「すいませんわざわざ来てもらって」
睦 月「なーに、暇をもてあましていた所だよ、佐伯」
佐 伯「睦月さんに来てもらったのは我々ではまったく理解出来ない為です」
睦 月「確かにな・・・」
佐 伯「どんなもんですか?」
睦 月「これは俺たちの手では手に負えんなあ、やむおえないが桂木詩雪にでも協力してもらうか」
    睦月は持っていた携帯電話で詩雪に連絡を取る。
    プルルルルルル〜、ガチャ
青 田「はい、こちら港町研究所です」
睦 月「ああ、青田さんか、詩雪さんいますか?」
青 田「警察が詩雪さんに何のようです?」
睦 月「いま、我々では理解しがたい事件に遭遇したので詩雪さんに協力を求めたい」
青 田「もしかして青木ヶ原研究所の事ですか?」
睦 月「察しがいいな、しかしこの事件はまだ報道されていないことだが?」
青 田「生き残りの研究員から連絡があった」
睦 月「ほう、でその生き残りの研究員は?」
青 田「先程事切れたよ、なんせ体のあちこちがえぐられていたからな・・・」
睦 月「そうか・・・」
詩 雪「青田、誰と話している?」
青 田「ああ、これは詩雪様、今睦月さんから・・・」
詩 雪「何!睦月から!」
    ズドコバカン!!
    青田を押し飛ばして受話器を奪い取る。
詩 雪「おお、睦月か、久しぶりだな」
    ちなみに詩雪は雑賀睦月にほの字である。
睦 月「ああ、実はな・・・(以下略)」
詩 雪「そうか、では一時間後にそちらに向かう、聖零と御影千晴も連れて行く」
睦 月「あの二人もか?ということはかなり相手は強いのか?」
詩 雪「ああ、詳しくは会って話すが、相手は暴走したRAだ」
睦 月「RA?」
詩 雪「ああ、青木ヶ原研究所は桂木文貴の路線とは別に開発されていたものだが、とうとうつけ
    が回ってきたようだ」
睦 月「つけ?」
詩 雪「詳しくは会って話す」
    ガチャン
    今時珍しい旧式の電話機の受話器をきる。
詩 雪「今から青木ヶ原研究所に行ってくる」
青 田「は?あのしかし今日は大事なRA11の耐強化実験が・・・」
詩 雪「キャンセルだ、睦月が私を待っている」
青 田「そ、そんなー」
詩 雪「聖零と千晴とハウゼンとガラスを直ぐに呼びなさい」
青 田「は、はあ・・・(あきらめモード)」
    すぐさまはずれの岬の教会から聖零が
    そして研究所近辺で幼稚園の保母をしている御影千晴が呼び出される。
詩 雪「ではいくぞ、車は?」
ガラス「すでに用意されています」
詩 雪「有無」
ハウゼ「では行きましょう、運転は私が」
    高級車に乗り込む一行。
    そして・・・
睦 月「佐伯、何か嫌な予感がしないか・・・」
佐 伯「何がです?」
睦 月「いや、この事件ではなく・・・」
佐 伯「はあ、でも睦月さん独身でしたよね」
睦 月「ああ、それが何か?」
佐 伯「いいんじゃないですか詩雪ちゃん」
    ドシ!
    渾身の一撃が佐伯の顎にヒット。
佐 伯「酷いよ睦月さん」
睦 月「冗談も程々にしろ、相手はまだ十五だぞ、警察の俺が捕まるぞ」
佐 伯「まあまあ」
    いつの間にか復活している佐伯。
睦 月「たくもう・・・お、やっと来たか」
佐 伯「お目当ての未来のお嫁さんが」
    ドカシャーン!
    懲りない佐伯である。睦月のアッパーは顔面に減り込む(めりこむ)程の威力であった。
聖 零「今ドアを開けます」
    すかさず最初に車から降りて、詩雪をエスコートする聖零。
詩 雪「久しぶりですね睦月さん」
睦 月「あ、ああ(佐伯があんな事言うから妙に意識してしまうではないか)」
詩 雪「ではこの件について詳しくお話いたします」
    そこら辺にある切り株に座る詩雪。
詩 雪「多分ですが、RAに組み込まれた物が耐用年数が過ぎて抑制が効かなくなったのでしょう」
睦 月「ふむふむ」
詩 雪「で、今それは地中深くに潜り込んでいる筈・・・」
睦 月「ち、地中!?」
詩 雪「ええ、今もここの地中にいるでしょう・・・」
睦 月「・・・」
詩 雪「ここの研究所の地下は地中深くに存在すると聞いています」
睦 月「今から我々の手でとめに行くのか?それとも地中深くに爆弾でも仕掛けるか?」
詩 雪「下手をすればどちらも最悪の結果になりかねません、なんとしても地上に本体を出さない
    限り勝機はないでしょう」
睦 月「そうか、なら我々も迎え撃つ準備が必要だが、佐伯、他の者は全て研究所から引かせろ」
佐 伯「しかし」
睦 月「これ以上死者を出したくない」
佐 伯「わかりました、万が一睦月さんのみに何かあったときは軍を派遣してもらうことになるか
    もしれません」
睦 月「分かっている、さあ行くんだ」
佐 伯「はい、皆ここは睦月さんに任せて我等は一旦引くぞ」
    佐伯一同警察は研究所より去っていく
詩 雪「ではここから法律を無視してくださいね」
睦 月「え?」
    詩雪は懐よりハイテクのヨーヨーを取り出す。
詩 雪「他にも色々あります」
睦 月「・・・」
聖 零「来ます詩雪様・・・」
千 晴「厄介な相手のようね」
ガラス「ハウゼン、生きて帰れたら酒でも飲もうや」
ハウゼ「ああ、とびっきりの菊姫(日本酒)でもな」
    ニョキニョキニョキ・・・
    異様な機械の触手が穴より出てくる。
???「無駄な・・・」
詩 雪「さー気合入れていきますよ、睦月さん」
睦 月「ああ」
    一方、主人公の亮太はというと・・・
    青木ヶ原の墓地に来ていた。
亮 太「すまないな、来るのが遅れて・・・」
ららら「誰の墓なんです?」
亮 太「ああ、ちょっとした知り合いが眠っているんだ・・・」
    線香と花を供える亮太。
    それを見つめるららら。
亮 太「じゃあ行くか・・・」
ららら「あ、うん」
    二人は墓地から去っていく。
    そして亮太が見舞った墓にはこう書かれていた。
    姫野忍

あとがき「ゲスト・詩雪」
ITK「青木ヶ原編締めくくりまであと二話・・・・・・で終わるかな?」
詩 雪「なんか最後に姫野忍さんが死んでるってなってますが?」
ITK「それはまた伏線ということです」
詩 雪「さて私も戦うスタイルになっていますが?私はどちらかというと頭脳タイプで、戦いに参
    加しないのでは?」
ITK「まあ、なんというかその・・・」
詩 雪「ITKさん特有のいい加減な切り替わりね」
ITK「ま、そういうことです」
詩 雪「では次回もまたいい加減な感じですね」
ITK「今に始まったことじゃないので気にしないでください」
詩 雪「・・・・・・」
ITK「ちなみに今の話は第三部・第五部の後の話の設定です」

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