ららら/漆拾貳話

大宝再来

    聞こえますか、私の声は・・・
    そんな声が頭の中に囁いている。
    見覚えのある少女が自分に喋りかけている。
    少女の声は俺にはちゃんと聞こえているはず、しかしどう言うわけか俺はその少女に問い
    かける事が出来ない。
亮 太「・・・・・・」
    俺はただ黙っている。
???「よく聞いてください、あなたの腕は完全に壊れてしまいました、しかしただ一つ直す方法
    があります」
亮 太「!?」
???「以前私がらららさんに託した大宝の珠を亮太さんの腕に移し変える事です(51話参照)」
亮 太「え・・」
    声が出る・・・
???「あなたが目覚めたとき、らららさんと手を合わせて心を通じ合わせてください」
    少女が誰かを思い出す・・・。
???「そうすれば大宝の珠はあなたの意思を感じ取って腕に移ります」
亮 太「猫子・・・」
猫 子「はい、私は遠くにいますが、夢を通じてあなたには伝えます」
亮 太「ありがとう・・・」
    そして・・・
ららら「しーちゃん、どうなの?」
詩 雪「どうもこうもないわ、桜部亮太の腕にもF−MAXチップ相当の技術が組み込まれている
    から、私の手に負える代物じゃないわ・・・」
ららら「じゃあマスターの腕は・・・」
詩 雪「今は何とか電気を送り続けて防いでいるが、それ無しには・・・」
ららら「・・・」
五 月「亮太・・・」
    心配する二人。
    亮太の腕を握るららら。
ららら「マスター、もし腕が使えなくなっても、らららが一生マスターの腕代わりをする」
五 月「私も、らららに負けないくらい世話してあげる」
詩 雪「・・・」
    そのとき・・・
    いきなり亮太の手はらららの手を強く握り締め始めた。
ららら「!」
亮 太「ら・ら・ら・・・」
    その瞬間らららの胸元が神々しく光りだす。
亮 太「ららら・・・猫子が託した大宝の珠・・・俺に・・・」
ららら「大宝の珠・・・もしかしてこれはマスターに渡せば?」
亮 太「ああ、頼む・・・」
ららら「でもどうすれば・・・」
亮 太「心を・・・通じ合わせる・・・」
ららら「心を・・・でもどうすれば・・・・・・!?」
    思い立ったらららは亮太の腕を自分の胸元に当てる。
ららら「マスター・・・」
亮 太「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
    亮太の体に大宝の珠が血が流れるように移動して行く。
亮 太「!!!!!!」
    その瞬間亮太の体にとてつもなく激痛が走る。
亮 太「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
    それはただ悲鳴を上げるしか収まる方法が無い位の激痛であった。
亮 太「・・・らららもしかして・・・」
ららら「うん・・・この大宝の珠を受けたとき本当は物凄く激痛が走った、でも私のチップはその
    大宝の珠で作られたものだったからある程度の耐性はあったの・・・」
亮 太「そうなの・・・」
ららら「私が生を受けたときそれは本当に激痛の毎日だったの」
亮 太「そうなのか・・・」
    バタッ
    あまりの激痛で亮太は気絶する。
詩 雪「しかたない、至急桜部亮太に鎮痛剤を投与しなさい」
青 田「わかりました」
詩 雪「しばらく患者を安静にさせるため面会は控えてもらう」
ららら「でもマスターが・・・」
詩 雪「ここが正念場だららら・・・」
    そういうと病室からららと五月は退室する。
五 月「大丈夫よ、ああ見えても亮太は我慢強いから・・・」
ららら「・・・・・・らららはしばらくここにいます・・・」
五 月「らららちゃん・・・」
ららら「マスター・・・」
    悲しみにくれている所、三人の女性が通りかかる。
詩 雪「あら?来ていたの」
???「ええ、聖華が倒れたと聞いてアメリカから飛んできたわ」
詩 雪「まあ色々あったけど彼女は生きてるわ」
???「まあ彼女は昔から暴走気味だったから・・・」
詩 雪「で、聖華さんの病室に行く?」
???「ええ」
ららら「もしかしてスカーレットさん?」
スカレ「ええ、また会いましょうらららちゃん」
    スカーレット、桂木一族で珍しいアメリカ人とのハーフの女性。
    そして後ろの二人は・・・
???「いずれまた会うでしょう・・・」
???「いずれ・・・」
    三人は去って行く。
五 月「今の人は?」
詩 雪「彼女は桂木・スカーレット、聖華さんの親友。でも彼女は分別がある人だから私達とは敵
    対しないわ」
五 月「だといいけどねえ〜」
詩 雪「なんか癇に障る言い方ねえ〜」
五 月「前に誰かさんも敵だったしねえ〜」
詩 雪「・・・(怒)」
五 月「睦月兄さんも大変だわ」
詩 雪「なんでそこで睦月さんが出てくるの!」
五 月「まあ兄さんにこれからも見張ってもらえばいいかなあ〜」
詩 雪「それって五月は私と睦月の事公認してくれるって事」
五 月「三十過ぎてだらしないけどね」
詩 雪「よし、あとは以下に鈍感な睦月を落とすか・・・あっ」
    顔を真っ赤にする詩雪。
五 月「ふふふ、私もいつか亮太とこういう関係になりたいものね」
ららら「あーマスターとはらららが!!!」
    和気藹々の三人。
    そしてスカーレットの一行は・・・
スカレ「思ったより元気だったわねえ」
???「そうですね」
スカレ「さてと、683K、せっかく日本に来たんだからハネをのばそっか」
683「そうですね、ふふふ」
スカレ「・・・684K、さっきから無口だけど」
684「いえ・・・ただ日本にまた帰ってこれるとは思ってもいなかったので・・・」
スカレ「もしかして生前(RAになる前)の事が懐かしくなった」
684「・・・」
683「684、生前の事は忘れた方がいいわよ」
684「・・・ごめん」
スカレ「・・・(684Kあなた・・・)」
    その夜・・・
    結局亮太は激痛がおさまるまで病院に入院。
    そして・・・
684「・・・ごめんなさい、スカーレット様・・・」
    684Kはスカーレットの元を離れる。
683「嫌な予感がしていたのよ・・・まったく」
スカレ「至急683K並びに他のRAにも出動させ、脱走した684Kを捕獲するように!」
683「わかりました」
    684Kが生前やり残した事がある。それをやり遂げるためスカーレットの元を離れた。
    そのやり残した事とは・・・

あとがき「ゲスト・桂木スカーレット」
ITK「ちょっと間が出来ましたが、白姫編終了」
スカレ「で、二年越しで漸く684K編に突入できるわけですね」
ITK「ええ、でも当時のラフ画とかが結構紛失して再考するのにちょっと苦労しています」
スカレ「で、684Kはどういう話ですか?」
ITK「684Kは主人に追われながらも何かを成し遂げる・・・というかんじ」
スカレ「大雑把ですね・・・」
ITK「ちなみに桜部亮太、らららは登場予定は無いかも・・・ってまたキャラをいっぱい書かな
    きゃいけないなあ・・・十人以上・・・(汗)」
スカレ「私の顔も速めに書いてくださいね」
ITK「善処します」
スカレ「では第六部にてお会いしましょう」

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