| とある鎮守府での出来事。
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加 賀 | 「提督、御呼びでしょうか?」
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提 督 | 「ああ、実はだな、我が艦隊の正規空母が六人揃う事になった」
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加 賀 | 「そうですか、これで空母艦隊が組めますね」
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提 督 | 「うむ、だが六人目が翔鶴ではなく天城ということでだな・・・」
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加 賀 | 「成る程、私に瑞鶴のフォローをと言う事ですか」
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提 督 | 「うむ、察しが良くて助かる、赤城や蒼龍や飛龍よりも君がやってくれれば、瑞鶴も勇気付
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| けられるであろう」
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加 賀 | 「しかし私は五航戦の子とはあまり仲良くはなりたくは無いものですが」
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提 督 | 「まあ君の一航戦の誇りという物も分かっているつもりだ、だがな、この艦隊ではどの娘も
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| 皆同じ仲間だと言う事も分かってくれ」
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加 賀 | 「・・・わかりました、提督がそこまでおっしゃるのでしたら、公私混同は致しません」
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提 督 | 「うむ、頼んだぞ、私は赤城君達よりも君を最も信頼している」
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加 賀 | 「私も、提督の信頼に応えるよう致します」
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| 執務室より去る加賀。
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加 賀 | 「(提督の言うとおり、私の方から歩み寄れば、瑞鶴も歩み寄りやすくなるでしょう)」
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| 弓道場に向かう加賀。
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赤 城 | 「加賀さん、提督からの呼び出し、何だったのでしょうか?」
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加 賀 | 「いえ、些細な事です」
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赤 城 | 「そうですか、では加賀さんも一緒に練習致しましょう」
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加 賀 | 「そうですね」
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| そして次々と空母の面々も弓道場に入ってくる。
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瑞 鶴 | 「天城さん、ここが弓道場です」
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天 城 | 「ここで練習すると言うわけですか_(:3」∠)_」
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瑞 鶴 | 「げ、一航戦までいる」
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加 賀 | 「・・・」
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瑞 鶴 | 「天城さん、一緒に練習しましょう」
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天 城 | 「は、はい」
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赤 城 | 「瑞鶴さん、ここにもなれましたか?」
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瑞 鶴 | 「ええ、最初来た時は戸惑いましたが、もう大丈夫です、今では新人の天城さんの教育係も
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| 受け持っています」
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赤 城 | 「それはそれは」
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瑞 鶴 | 「加賀さん、絶対に負けないんだからね」
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加 賀 | 「・・・ふふふ、口だけは達者なようね」
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瑞 鶴 | 「はあ、そんな事いっていられるのも今のうちよ、見てなさい勝負よ!」
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加 賀 | 「ふぅ・・・勝負はやる前から分かっているけど」
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| 結果・・・
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| 瑞鶴/四本が外に命中、1本が外れ
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| 加賀/五本とも真ん中に命中
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瑞 鶴 | 「な、ど、どうして・・・」
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加 賀 | 「瑞鶴」
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瑞 鶴 | 「ひ、ひい・・・」
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加 賀 | 「弓を構える時は・・・」
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| 加賀は瑞鶴に弓の持ち方からの流れを指導。
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瑞 鶴 | 「え、ちょ、ちょっと・・・」
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加 賀 | 「余計な事は考えない、集中して」
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瑞 鶴 | 「は、はい」
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| そして、加賀の指導の下、真ん中に命中。
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瑞 鶴 | 「や、やったあ・・・」
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加 賀 | 「瑞鶴、何故貴女が私に負けたか分かる?」
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瑞 鶴 | 「え、えっと・・・」
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加 賀 | 「貴女は私だけを見て自分を見る事が出来なかった、集中も疎かになっている状態では、や
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| る前から勝負は見えていたわ」
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瑞 鶴 | 「・・・」
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加 賀 | 「瑞鶴、私への敵愾心を持つよりも、まず己との勝負をしなさい」
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瑞 鶴 | 「加賀さん・・・」
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加 賀 | 「貴女は私の可愛い後輩です、先輩である私を越える様に精進なさい」
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瑞 鶴 | 「可愛い・・・後輩」
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加 賀 | 「こほん、今日は喋り過ぎました、自分の練習に戻ります・・・瑞鶴、貴女も頑張りなさい」
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瑞 鶴 | 「・・・ええ、いつか貴女を追い抜いて見せます」
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赤 城 | 「あら、今日の加賀さんは瑞鶴さんと仲が良いですね」
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天 城 | 「いつもは仲が悪いのですか?」
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赤 城 | 「いつもは瑞鶴さんが加賀さんにちょっかいをかけてばかりなんですけどね(にこ)」
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天 城 | 「はあ・・・」
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飛 龍 | 「珍しい光景」
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蒼 龍 | 「明日は雨でしょうか?」
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| こちら執務室。
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提 督 | 「うむ、加賀もちゃんとやれば出来る娘だな」
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天津風 | 「そうね、でも提督、早く今日の仕事終わらせないと食事も出来ないわよ」
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提 督 | 「だな」
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天津風 | 「所で、なんで私が秘書なのよ?いつもの鈴谷はどうしたの?」
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提 督 | 「3−2−1で99までレベリングだ」
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天津風 | 「・・・提督は鈴谷とケッコンカッコカリするの?」
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提 督 | 「わからん」
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天津風 | 「・・・」
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提 督 | 「ちなみに秘書に指名したのは鈴谷だ」
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天津風 | 「なぜ?」
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提 督 | 「鈴谷が駆逐艦には興味なさそうだから、その中で一番仕事出来そうな真面目なのは天津風
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| じゃん・・・という訳だ」
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天津風 | 「・・・(私の事気になっていると言う訳じゃなかったの・・・残念)」
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提 督 | 「さてと・・・」
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加 賀 | 「提督、入ります」
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提 督 | 「おわ!行き成りだなおい」
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加 賀 | 「私、やりました(ガッツポーズ)」
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提 督 | 「あ、ああそうだな、よくやってくれた」
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加 賀 | 「ですから、私を秘書艦にしてください」
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天津風 | 「はあ?何言ってるの、秘書艦は私なんだから、そう簡単には譲らないわよ」
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加 賀 | 「貴女は鈴谷さんに頼まれただけでしょ?鈴谷さんなら兎も角、貴女が秘書監に固執する必
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| 要は無いのでは?」
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天津風 | 「いや、あの、その・・・くぅ〜譲らないわよ!!!」
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提 督 | 「あ、天津風・・・」
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天津風 | 「わ、私だって提督が好きなんだから、絶対に譲らないわよ!!!」
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加 賀 | 「それを決めるのは貴女ではなく提督です、さあ提督御願いします」
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天津風 | 「譲らないわよ、提督、天津風の方が良いでしょ」
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提 督 | 「天津風は真面目だからと思っていたが、俺の事、そう思っていたのか・・・」
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天津風 | 「(赤面)」
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提 督 | 「・・・ちょっと、トイレ行って来る」
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| 提督逃走。
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天津風 | 「あ、ちょっと逃げたわ」
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加 賀 | 「頭にきました」
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| その後、鈴谷が帰って来るま迄、二人に追い駆けられる提督であった。
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提 督 | 「鈴谷の方が気が楽だ・・・」
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