艦これSS/任務〇六

緑の鎮守府・零式

    それは緑の鎮守府の最初のお話である。
    他の提督達は、本部から派遣された初期艦と呼ばれる艦娘と共に赴任先に向かうのである
    が、俺はその初期艦が来るのを待っている。
    しかし待てども初期艦は来ない、上層部に確認してみると、気が逸ったのか既に赴任先に
    向かったとの事である。
提 督「上司を置いていくかねー普通・・・」
    まあ愚痴を言っても状況が変わる訳でも無いのだから、俺も赴任先へと向かう事にした。
    俺の赴任先は元は能登半島にあった海軍潜水学校の場所に新設された場所である。
    海軍基地名は自由に付けて言いという事で、赴任してから決める事にすると回答した。
    市街地からはかなり離れた場所にあるが、能登島を挟んだ地形で機密性の高い場所でもあ
    る。
    本部から初期艦は吹雪叢雲五月雨電のいずれかが赴任していると聞いている。
    さて一体どの娘が居るのであろうか、おれは赴任した基地の提督室の戸を開けた。
長 月「お前が私と共に歩む提督か、期待しているぞ」 
提 督「・・・えーっと、聞いていた艦娘と違うんだが・・・」
長 月「あーそれなんだが、結論から言うと初期艦はここに赴任しない」
提 督「ふぁっ!?」
長 月「本部からの伝達なのだが、ここの鎮守府はある特殊な事情があるとの事だ」
提 督「特殊な事情と言うと?」
長 月「何か偏った現象が起きるという事で、詳しくは分からん、その理由が私が居るという事で
    もある様だ」
提 督「そうか」
長 月「納得はいったか?」
提 督「まあお前がいるという事から何かあるのだろうが追々と分かるだろう」
    取り敢えず納得と言う形をとり、提督業に就く事にした。
    建造出撃開発遠征等の仕事を一通り長月から教わる。
    そして建造(艦娘公募)を行う事にした事で理由が発覚する(ここでの建造は一般人から
    公募と言う形とする)
    そして一般公募で艦娘適性を受けた事言うのが・・・
    木曾・夕張・鈴谷・最上である
    そうこの艦娘達にはある共通の特徴があった。
    髪の毛の色が緑であるという事(この四人は初期建造可能であると言う理由も含む)
提 督「そういう事か・・・」
長 月「みたいだな」
提 督「そして建造妖精に聞いたんだが、他の髪の色の艦娘は絶対に赴任しないとの事だ」
長 月「まあやって行くしか無いだろう」
提 督「各海域を攻略すれば緑の艦娘が増える可能性もあるだろうから、当面はこの五人でやって
    行く事にしよう」
    そう、これが艦娘達にとっての地獄の始まりであった。
鈴 谷「提督、流石に遠征が回せないのはきつくない」
提 督「確かにな、本来なら駆逐艦が3人、欲をいえば5人欲しい所だ」
木 曾「駆逐艦はうちには長月しかい無いから、効率よく資源の確保が難しいな」
提 督「緑髪の艦娘が加入しそうな海域はと言うと・・・」
    山風 1−3、7−3
    夕雲 2−5、4−2、
    高波 6−5
提 督「思ったよりも難関だぞこれは・・・山風と夕雲は未だしも高波は最深部まで行かないと到
    達すら出来ないぞ・・・先ずは山風と夕雲の確保に全力を尽くすように」
艦 娘「了解」
    しかし低難易度ではとてもでは無いが攻略など不可能・・・
    そこで提督がとった行動は幾重にも練度を上げる為の演習と特訓を艦娘達に実施した。
    ある時は遠方の提督にお願い(土下座)をし一日十戦の演習を百戦まで行い、さらに提督
    考案の地獄の特訓を課した。
    その結果、艦娘の練度は飛躍的に向上し、通常ならば一年以上かかるであろう練度最大を
    一ヶ月で達成した。
夕 張「提督、もうこれ以上は上がりません・・・」
木 曾「相棒、もうこれで高波の確保に行くべきじゃないのか」
鈴 谷「でも流石に空母居ないときつくない」
最 上「みんな、それなんだけど新しく蒼龍さんが着任(強制勧誘)したみたいだよ」
長 月「おお、これで大抵の海域は攻略できるぞ」
提 督「いや、ある海域だけ鬼門の箇所がある」
長 月「どこだ・・・って、なんで私を見る」
提 督「3−2は軽巡一隻と駆逐五隻での攻略になるが、うちには駆逐は三人しかいないから腕を
    見せてこい」
夕 雲「いきなり着任したと思ったら実質四人での攻略ですか」
山 風「沈めて来ればいいのね・・・やる」
    杞憂であったか、あっさりと攻略成功。
    そしてなんだかんだで6−5迄到達。が、そこからもルート制御に苦しみながらも無事確
    保成功。ここに現時点で配属可能な緑髪艦娘全員を揃える。
高 波「それで、みんな強いかもと」
長 月「ああ、制約があってもそれに抗い続けた結果がこれだ」
木 曾「と言う訳で相棒、これからもよろしく頼むぞ」
夕 張「さーこれで研究に没頭できるわ〜・・・って、夕雲さんなんで引っ張るの?」
夕 雲「今日のノルマは海上護衛×十二回ですよ」
夕 張「いやー休ませてー(悲痛)」
山 風「遠征頑張ればパパは褒めてくれる」
最 上「ははは、みんな頑張ってね・・・(航巡・空母組は遠征免除)」
鈴 谷「行ってらっしゃーい」
提 督「お前達は他の鎮守府から演習依頼が来てるからそっちに行ってきなさい」
蒼 龍「鬼、悪魔、レモンサワー、ストロングゼロ!!」
提 督「行ってる意味は分からんが妙に説得力のある事言うんじゃない」
    此処の鎮守府に休みというものは存在しない。
山 風「と言う訳で本日遠征終了、パパ一緒に寝よ」 
提 督「ああ、もうそんな時間か、今日も一日御苦労様」
山 風「えへへ」
夕 雲「提督、私も一緒に寝ましょ〜」
提 督「お前は洒落に成らんからダメだ。高波、姉を連れて行きなさい」
高 波「はい、かもです」
夕 雲「提督のいけず〜」
夕 張「よし、寝る時間は三時間にすればあと二時間は研究出来る」
提 督「無理するなよ〜」
夕 張「どの口が言ってるのよ提督!!!」
提 督「この口〜」
夕 張「むきー!!」
    と、
木 曾「以上がここの鎮守府始まった時の話だ」
松・竹「・・・」
巻・浜「・・・」
    ここに着任した事を後悔した四人であった・・・
    今日も鎮守府は平和である

あとがき「ゲスト・長月」
ITK「一年に一回は小説書かないとね」
長 月「続き物ではなく原点に戻ったと言う訳だな」
ITK「こう言った話も書きたいなと思っていたのでいつもなら一日で書く所二日かけて書いた」
長 月「まあいつものやまなしオチ無しな進みだったな」
ITK「あくまで素人が書いた小説なのでこんなものですよ」
長 月「いつかなろう小説に異世界物でも書きそうな気がするな」
ITK「まあリアルで時間が無いからそういう事は多分無いと思われ」
長 月「うむ、また続きでもあれば、以下略」

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