美紗緒 | 「・・・・・・」
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| それは突然の出来事であった。
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| 天地の帰りを校門で待っていた美紗緒は天地が学校から出てきた所で自動車に引かれた。
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| 体は鍛えていた天地もとっさの出来事に受身を取ることができず頭部に大きな打撃を受け
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| る。
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| そして天地は病院に入院することになった。
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砂沙美 | 「天地兄ちゃん大丈夫・・・」
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美紗緒 | 「天地さん、目を覚まして・・・」
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| 二人の呼びかけもむなしく天地はただ沈黙を続けるだけだった。
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| 柾木家ファミリーの魎呼達はあいにく所要で地球にはいない。
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砂沙美 | 「美紗緒ちゃん大丈夫、昨日から寝てないじゃない・・・」
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美紗緒 | 「だ、大丈夫だよ」
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| しかし美紗緒の体も疲労により視界も衰えかけている。
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美紗緒 | 「砂沙美ちゃん、今日も私が介抱するから砂沙美ちゃんは帰っていいよ」
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砂沙美 | 「美紗緒ちゃんを一人にはできないよ・・・」
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美紗緒 | 「砂沙美ちゃんは他の人に連絡をとって・・・」
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砂沙美 | 「う、うん・・・」
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| 砂沙美は美紗緒が心配だった。
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| このままだと美紗緒も倒れてしまうのではないかと・・・
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| でも柾木家のほかの人にも知らせなければいけない・・・
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| 砂沙美は実家に帰っていく。
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美紗緒 | 「天地さん・・・」
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| そして幾日か過ぎる。
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| 天地は一向に目を開けない。
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| 医者も手の施しようが無いとさじを投げる始末。
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| そしてその夜。
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| 美紗緒は天地の前に立つ。
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| そして何を思ったか、懐からあるものを取り出す。
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| ミサのバトンである・・・。
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| そして・・・
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| コーリング・・・・・・・
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| 美紗緒の髪の毛は黄色に変化。
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| しかし衣装は制服のまま。
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美紗緒 | 「もう使わないつもりだったけど・・・・・・」
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| 美紗緒はミサの力を持って天地の深層心理にもぐりこむ。
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| 天地の心の中に入る。
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| そこは一面赤々としたどんよりとしたものだった。
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美紗緒 | 「天地さんの心は何故こんなによどんでいるの・・・・・・」
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天 地 | 「やっぱりきたのか・・・」
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美紗緒 | 「天地さん、どうしたのいったい・・・」
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天 地 | 「なんだか疲れたんだ・・・本当の俺はいい人で通し続けるのに疲れた・・・」
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美紗緒 | 「・・・」
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| 美紗緒は天地に抱きつく。
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美紗緒 | 「そんなに疲れていたのなら・・・私が癒してあげる・・・」
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天 地 | 「な、なにを・・・」
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美紗緒 | 「私はもう大人です、天地さんの相手はできます」
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天 地 | 「・・・・・・」
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| 天地は美紗緒を引き離す。
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天 地 | 「・・・君はまだ子供だ・・・」
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| 天地はそういうと心から姿を消す。
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| そしてあたりの赤々とした景色も澄み切った色に変化。
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美紗緒 | 「・・・・・・」
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天 地 | 「俺はまだ自分に甘えがあったのかもしれない、だからもう自分から逃げない」
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| そして二人は同時に目を覚ます。
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天 地 | 「・・・」
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| ゆっくりと目を開ける天地。
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美紗緒 | 「おかえりなさい」
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天 地 | 「ただいま・・・俺はずっと眠っていたのか・・・」
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| どうやら天地は心の中での出来事は覚えていないようである。
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美紗緒 | 「よかった・・・」
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| 天地に抱きつく美紗緒。
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美紗緒 | 「もうどこにも行かないで・・・」
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天 地 | 「ああ、どこにも行かないよ・・・」
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| 翌日天地は退院する。
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| そのまた次の日、天地と美紗緒は学校に復帰。
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美紗緒 | 「おはよう天地さん」
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| 美紗緒は寝ている天地を起こす。
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天 地 | 「後五分だけ・・・」
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美紗緒 | 「おきないと学校に遅刻しちゃうよ」
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| 今にも泣き出しそうな美紗緒。
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天 地 | 「わーおきるおきる」
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| すっ飛んで起きる天地。
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美紗緒 | 「ふふ」
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天 地 | 「ははは・・・(反則だなそれ)」
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| 天地と美紗緒は早速朝飯をとる。
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美紗緒 | 「天地さんお願いがあるの・・・」
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天 地 | 「なんだい?」
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美紗緒 | 「今日、学校の帰りにお買い物に一緒に行こう」
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天 地 | 「ああわかったよ」
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美紗緒 | 「よかった・・・」
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| 美紗緒は久しぶりにミサに変身して以来大胆になったのか、そっと天地の頬に口付けをす
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| る。
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砂沙美 | 「おはよう美紗緒ちゃ・・・・・・・・・・ん」
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| 衝撃!砂沙美は見た!教師と生徒のラブラブ交際!!
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| 砂沙美の脳裏に一瞬週刊誌の謳い文句のような物がよぎる。
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美紗緒 | 「あ、砂沙美ちゃん・・・」
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天 地 | 「さ、砂沙美ちゃん・・・」
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| あわてて離れる二人。
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| 思いっきり顔を赤くする三人。
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美紗緒 | 「じゃ、じゃあいってくるね、いこ砂沙美ちゃん」
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砂沙美 | 「う、うん・・・」
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| 勢いよく飛び出す二人。
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砂沙美 | 「大胆になったね美紗緒ちゃん」
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美紗緒 | 「まだまだ序の口よ・・・」
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砂沙美 | 「えげ・・・」
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| あきれる砂沙美。
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| そして今日も学校に向かって走る二人であった。
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